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元銀行員が語る「転職前」に住宅ローンを借りるべき3つの理由

6/19(月) 18:03配信

ZUU online

日銀によるマイナス金利導入後、はや1年半が経過した。その間、住宅ローンの金利は下がり続け、各金融機関の競争が続いている。これを機会に「住宅ローンを借りよう(借り換えよう)かな?」という方も多いだろう。

ただ借りようと思うのなら転職する前に借りることをお勧めする。転職の仕方によっては金融機関からマイナスと見られることもあるからだ。今回は転職するまでに借りるべき3つの理由を紹介する。

■勤務先は極めて重要

Aさんは東証一部の会社に勤務していたが、中小企業に転職した。前職の時から家を買おうと考えており、今回手頃なマンションが見つかったのでB銀行を訪れた。

B銀行を訪れたのは前職のメインバンクであり、前職のオフィスで住宅ローン相談会を定期的に開いていたから。前職の際には「いつでもご相談下さい」とよく声をかけてくれていた。「まあ自分の希望する金額・金利で借りれるだろう」と思っていた。

ところが前職時に聞いていた条件よりも厳しい。どうも銀行は勤務先の規模を見ているようだ。「こんなことなら前職の時に住宅ローンを借りておくべきだった……」と後悔するAさんだった。

例に挙げたように、どこに勤めているかは金融機関にとって極めて重要だ。特に東証一部などのいわゆる誰もが知る企業に勤めていると借りやすいのは事実である。また借りやすいだけでなく、金利などの条件も優遇されやすいのが実状だ。

なぜ勤務先が重要か? それは金融機関はあなた個人ではなく、勤務先に貸すのも同然だからだ。東証一部であれば倒産する可能性は相対的に考えて低い。ただ中小企業だと住宅ローンを貸している数十年の間にどうなるか分からない……というわけである。

なお一つ付け加えておくと、Aさんのようなパターンは多くの金融機関で転職後の方が条件が厳しくなりやすい。金融機関は安定した企業に勤務している人を求めているからだ。こうした勤務先重視の考え方はメガバンク・ネット銀行・地方銀行・信用金庫に関わらず、ある程度共通している。

■転職間もない、転職歴が多いと要注意

次の例としてCさんを紹介しよう。Cさんはすでに住宅ローンを借りている。近頃金利が下がっていることを知り、借り換えをしたいと思うようになった。そこで調べた中で一番金利が低いであろうD銀行に相談することになった。

相談の際、Cさんは応対した銀行員から「住宅ローンを借りた時から勤務先など、お変わりはございませんか?」と尋ねられる。Cさんは「なぜそんなことを聞くのか」と思いつつ、「2ヶ月前に転職しましたけど」と答えた。

そうすると銀行員からやや渋い顔で「申し訳ございませんが、(同じ会社に)1年以上お勤めでない場合はご融資することができません」と伝えられた。よく見るとその金融機関のチラシにもその旨記載が書いてある。

さらに驚いたのは他の金融機関でも勤続年数についての記載が多いことだ。「年収は前職と変わらないのに……」と納得のいかないCさんであった。

実体験としてCさんのように「年収は変わらないのだから審査に問題はない」と考える方は意外と多い。しかし現実には半年または1年の勤続年数を条件としている金融機関がある。それはいくら「年収が変わらない」と言われても、それを証明する資料(源泉徴収票など)が一定期間を経ないと発行されないからでもある。

転職回数が多い、キャリアアップの転職ではない場合もマイナスと見られる。一概に何社までとは言い切れないが、20代で3社以上、30代で4社以上だと回数が多いと思われるだろう。

また金融機関にとっての「キャリアアップ」とは同一業界への転職である。例えば金融業界から人材業界への転職はキャリアアップとは認められない。あくまで同業界へ転職し、年収がアップしていることが条件となる。

■転職後に借りれたとしても……

ここまで事例を挙げながら転職前に借りるべき理由を紹介してきた。読んでみてこう思うかもしれない。「そうはいっても貸してくれる金融機関はあるのでは?」と。同業界への転職に成功し、有名企業から有名企業へ変わらず勤務している方はそうかもしれない。もちろんそうでなくとも調べ尽くせば貸してくれる金融機関はあるだろう。

だがそうした金融機関は他では貸してくれない人をターゲットとしているので当然ながら金利も高い。また希望する金額で借りれないと、手元からお金を出す必要もある。

金融機関にしてみれば、「この人は他では借りれないだろうな」というのは大体察しがつくものだ。だから「この条件で」と強気に言うことができる。要は足元を見られているのだ。

住宅ローンは最長35年をかけて支払い続けなければならない。転職にはタイミングがあるが、それは住宅ローンも同様である。借りる(借り換える)タイミングは慎重に見極めたい。(沖見 傑、元銀行員)

最終更新:6/19(月) 18:03
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