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米国は連続増配企業の宝庫?なぜ投資家の期待に応えられるのか

6/19(月) 18:40配信

ZUU online

先の見えない経済状況が続く今、米国の連続増配企業に注目が集まっている。日本と比べて、米国では連続増配を達成している優良企業群が投資家の圧倒的な評価を集めるのである。

それらの企業はなぜ連続増配が可能なのか。代表的な企業と実績を紹介しつつ、その理由を探る。

■連続増配の米国優良企業群

東洋経済が「米国会社四季報」をもとに算出した連続増配企業ランキングによると、ベスト10に名を連ねる企業の多くが、実に50年以上も増配を続けているという。

そのなかにはP&G(Procter&Gamble)の60年連続増配をはじめ、3M、J&J(Johnson&Johnson)、コカ・コーラなど、日本人に馴染み深い名も並んでいる。

P&Gは、「パンパース』でおなじみの紙製品を筆頭に、「マックスファクター」の化粧品やヘアケア、ヘルスケアなど数多くの事業を展開し、180ヵ国で製品を提供する世界最大の一般消費財メーカーだ。

3Mは、化学・電気素材を主力に、ヘルスケア、通信、交通、セキュリティなど幅広い分野の製品を扱う多角経営企業である。

日本でも有数の清涼飲料水メーカーであるコカ・コーラは、ライバルのペプシコと並んで、連続増配を続けている。

ちなみに日本での連続増配のトップ企業は、28年の花王である。それに次ぐユー・エス・エスや小林製薬の連続増配記録が19年なので、なかなかの健闘ぶりではある。しかし上記の米国優良企業群にはとても太刀打ちはできない。日米のこの圧倒的な差は、一体どこから生まれるのだろうか。

■J&Jにみる増配の秘密

なぜ上記の米国の企業群は、連続増配が可能なのだろうか。55年連続増配のJ&Jを例にしよう。

J&Jは、バンドエイドをはじめ、コンタクトレンズのアキュビュー、ベビー用シャンプーなどで知られる総合ヘルスケア企業である。扱う商品は医薬品、医療機器、消費者製品など幅広く、年間売上高7兆円超、連続増配にのぼる超優良企業である。拠点も米国をはじめ、ヨーロッパ、アジア太平洋、アフリカへとグローバルにビジネスを展開している。

長い歴史の中では業績が落ち込むこともあったが、不採算部門は積極的にリストラを断行し、同時にキャッシュフローに意を注ぎ、問題解決能力にも高い評価が寄せられ、結果として55年という長期にわたり増配を続けている。

つねに利益を出し続ける優れた経営姿勢、絶え間ないマーケティング力と研究開発力が織りなす魅力的な商品群、そして全世界へ商品を届ける宣伝力やサプライチェーン、そしてなにより株主からみた企業価値への配慮などの総合力が、連続増配を可能にしているといえるだろう。

■増配の原資は利益そのもの

企業が連続増配を達成するためには、原資となる利益の増加が大前提となる。つまり「連続増配企業』とは「成長している企業」であることにほかならない。実際、上記の米国銘柄は、いずれもサブプライム問題ややインターネットバブル、リーマンショックなどの経済変動を乗り越え、今日まで変わらずに成長と増配を続けている。投資家の立場からみれば、これほどの安心材料はない。

またそれら企業は、いずれも国際的な知名度を誇り、多くの商品やサービスが世界中の人々から愛されている。誰もが知る世界銘柄、それもまた投資家にとっては大きな安心材料につながるだろう。

■連続増配は信頼の証

連続増配企業が米国に多い最大の理由として、長期保有の株主を重視する経営姿勢があげられる。短期利益を目指した株式売買であれば、経営者のスタンドプレーや配当率を上げることで、一時的に投資家を惹きつけることができる。逆に経営基盤の安定化のためには、長期保有の投資家の方がありがたい。

長期の資産形成と長期の安定基盤、その媒となりうる連続増配とは、つまり長期にわたる企業と投資家の信頼の契り、と言うことができるのではないだろうか。

米国では、25年以上連続増配をしている優良大型株を貴族株と呼ぶそうだ。 まさに貴族然と、目先の利益ではなく将来の大きなゴールに向かって、投資家とともに歩んでいく、それが増配を続ける米国貴族企業のスタンスなのだろう。

そして日本でも、最近では連続増配を意識する企業が登場しはじめているようだ。国内外にかかわらず、今後は長期的な安定基盤を考慮して「連続増配」を重視する企業が増加してくるのではないだろうか。それはもちろん、長期保有を目的とする投資家にとっても朗報になるはずだ。(提供:百計オンライン)

最終更新:6/19(月) 18:40
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