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<がん患者>交流団体が曲製作 生きる希望、歌に乗せ

6/19(月) 12:45配信

毎日新聞

 ◇ネット上で資金募集も

 東海地方のがん患者の交流団体「めぐみの会」(本部・愛知県東郷町)が、同じ境遇の患者らを励ますオリジナル曲を収録したアルバムの製作に乗り出した。愛知県を中心にコンサートを開いているが、体調などで足を運べない患者もいるといい、メンバーは「生きる希望のメッセージをアルバムに乗せ、全国に届けたい」と語る。

 会では昨年1月、有志が歌のグループ「めぐみ音(おん)」を結成した。人気曲などを患者向けの替え歌にしたり、メンバーのリハビリ経験を歌詞にしたオリジナル曲を作ったりして、名古屋市周辺でミニコンサートを開いてきた。当初4人だったメンバーは今、25人程度に増えた。

 コンサートや練習の動画を会のホームページに掲載すると、全国の患者から「元気をもらえた。病室などで気軽に聴きたい」などと問い合わせや要望が多く寄せられ、アルバム製作を決めた。

 今年1月からめぐみ音に参加している愛知県在住の洋服デザイナー、須田志保美さんは2011年に乳がんが発覚した。手術をしたが、15年末に大腸がんなどが新たに見つかり、昨年5月に再び手術した。入院が長引くにつれ「いつも自分を優先していた性格が、がんを引き寄せたのか」などと自らを否定してふさぎ込んだ。

 退院した昨年末、がんの講演会で偶然、めぐみ音の歌声を耳にした。「がんになったら終わりじゃない 元気に生きてる人もいる」「大丈夫さ! 大丈夫だ! 人生生き抜くぞ!」。こんな歌詞を明るく歌う様子に感動しその場で入会した。

 がん発覚当時は病気を隠し、会社の長期休暇を使って手術した。「人生を楽しむことや周囲に感謝することを忘れていた」と振り返る。しかし、今は「みんなでおなかから声を出すことで心も体も楽になる。練習が楽しみで仕方ない」。

 須田さんは「アルバム製作を通し、元気だから歌うのではなく、歌うことで元気になることを伝えたい」と力を込める。「この機会に」と月2回程度、知人のソプラノ歌手に発声指導を受けている。

 アルバムは「音のめぐみ、歌の力」とのタイトルでオリジナルの4曲を収録する予定。9月下旬に名古屋市で開くコンサートまでの完成を目指す。めぐみ音は音楽機材の購入やコンサートの会場費などに充てるため、インターネット上で資金を募る「クラウドファンディング」も始めた。総額50万円を目標に29日まで募集する。

 治療や入院などで仕事を続けられなくなり、活動から縁遠くなるメンバーもいる。めぐみの会の織田英嗣代表(54)は「サークル活動のように続けていては尻すぼみになる。アルバムの収益で活動基盤を強くして輪を広げたい」と話す。今年4月に三重県で会の支部が発足し、今夏には長野県にも活動範囲を拡大する見込み。問い合わせは織田さん(090・5628・0136)。【三上剛輝】

最終更新:6/19(月) 12:46
毎日新聞