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加盟求めるインフラ銀 日米、慎重な判断不可欠 統治や審査能力疑問

6/19(月) 7:55配信

産経新聞

 韓国・済州島で18日までの日程で開かれたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の年次総会では、AIIBの金立群総裁が「ドアは常に開いている」と述べ、日本と米国に加盟を促した。日本の政府・与党内からも早期参加を求める声が出ている。ただ、公正なガバナンス(統治)や融資能力などへの懸念は拭い難い。拙速な決定は中国を利する恐れがある。

 政府はAIIB参加に慎重な姿勢を崩していない。だが、与党からは「後れを取らないうちに対応する心構えが必要」(自民党の二階俊博幹事長)などと早期参加を求める声があるほか、政府の一部にも参加に前向きな意見がある。

 ただ、AIIBは習近平政権が掲げる現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を金融面で支えるものだ。同構想について、政府関係者は「経済的に協力すればいいという単純な話ではない」と警戒する。すでに中国はインド洋周辺諸国の港湾整備などを支援する一方で、その国の港湾に自国艦艇を寄港させるなど軍事的な野心を隠さない。

 融資判断を行う北京のAIIB本部は常駐する職員が約100人と、日米が主導するアジア開発銀行(ADB)の30分の1程度にとどまり、加盟国の理事も常駐していない。審査体制や透明性に疑問符が付く中で、AIIBが返済能力を度外視した貸し付けをすれば「まともに貸していた方が割を食う」(麻生太郎財務相)恐れがある。日米政府は慎重に判断すべきだ。 (田村龍彦)

最終更新:6/19(月) 7:55
産経新聞