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災害でも安心、船舶とEVからビルに電力供給を可能に

6/19(月) 16:17配信

スマートジャパン

船舶とEVから災害時の動力電源の供給を

 三井住友建設は2017年6月、災害などによる大規模停電時における動力電源の供給を、船舶や電気自動車(EV)から供給することを可能にした電源供給システム「陸・海電力コネクティングシステム」を発表した。東京海洋大学との共同開発による成果である。

 災害発生に伴って生じる大規模な停電時には、建物機能の維持に加えて利用者や入居者の安全確保が求められる。特に停電によるエレベーターの停止は、中高層階からの移動が極めて困難となるため、社会的な問題となっている。

 しかし、建物に設置された非常用発電機は防災設備への電源供給を主体としており、保安電源用として発電機を整備している建物は多くない。小規模な建築物では、非常用発電機自体が設けられておらず、停電時には全ての電気設備が停止してしまう。

 また非常用発電機に頼らない緊急時の電源供給として、電気自動車のバッテリーによる電力供給を行う取り組みが進められているが、供給できる電源は電灯単相3線式200V/100Vであり、動力三相200Vの電源供給はできないという。そのため、三井住友建設は多くの建物で求められるエレベーターの稼働ができないことが課題と指摘する。

 開発したシステムは、船舶から得られた電源をEVで内陸部に輸送する手段を提供するものだ。EVのバッテリーから供給させる電灯電源を動力電源に変換する「交流電源安定装置」を備えており、停電時でもエレベーターを稼働させることができる。

神奈川県横須賀市で実証実験

 同社は神奈川県横須賀市の協力で、横須賀市役所久里浜行政センターに試験導入し、EVのバッテリー(6kW)によるエレベーター(3F/3.5kW)の実証実験を2017年6月10日に実施。エレベーター積載量を最適に制御することで、大型電動機の始動電流を抑制し、省エネルギーで稼働できることを確認したという。稼働回数を増やすことも可能だ。

 今後は実証実験で得た稼働中の消費電力データや、6階以上の都内高層住宅でのエレベーター稼働実証実験でノウハウの蓄積を行う。これにより省エネルギーでの効率的な稼働による可能な電動機容量や稼働回数など、実用化に向けた検討を進めるとした。