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港区の大規模マンション、違法建築の恐れ 完成すると敷地の「二重使用」に

6/19(月) 7:55配信

産経新聞

 東京都港区の大規模マンションが建築基準法の規定を満たさない違法建築になる恐れがあることが18日、分かった。建築確認で申請した敷地の一部が転売され、別のマンションの建設が進んでいるためで、完成すると敷地の「二重使用」となり、もともとあったマンションの方が違法建築となる。住民は、新築マンションの建築確認取り消しを都建築審査会に求めており、19日に関係者の主張を聞く口頭審査が開かれる。

 問題となっているのは、昭和56年に建てられた地上14階地下2階のマンション(約180戸)。JR山手線の品川-田町間に建設予定の新駅近くの好立地だ。このマンションは、建物が建っている土地約1580平方メートルと隣接する土地約1970平方メートルを敷地として建築確認を申請し、認められた。隣接地は転売が繰り返され、時間貸し駐車場などに利用されていた。

 平成28年3月に隣接地の所有権をJR九州が取得、16階建てマンション(234戸)の建設を計画した。10月に指定確認検査機関が建築確認を出し、既に着工。完成すると既存マンションは敷地に建てられる建物の延べ床面積(容積率)や建築面積(建ぺい率)が法定基準に適合しない違法建築となり、行政が強制的に建物の撤去ができる「除却命令」の対象となる。

 住民は「建築基準法は敷地の二重使用を認めていない」として、11月に都建築審査会に建築確認取り消しを求める審査を請求。指定確認検査機関側は「敷地の実態上の利用関係について検査機関は審査ができないし、審査する義務もない」などとして争っている。

 審査を請求した玉城(たまき)恵理さん(55)は「これまでも隣接地も含めた敷地全体を使った共同建て替えを不動産業者に打診してきたが、実現しなかった。マンションが完成すると大変なことになる」としている。隣接地では過去にもマンションの建築確認申請が出され、住民らが当時の所有者だった不動産業者を相手取り、建築禁止を求める訴訟を起こしたが、26年に最高裁で敗訴が確定した。

 JR九州は、「当社は(最高裁で)訴訟の確定後、本件土地の取得、およびそこでのマンション建設を適法・適切に行っており、何ら問題はないと考えております」とコメントしている。

最終更新:6/19(月) 9:46
産経新聞