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<奈良地裁支部>令状なしGPS捜査、違法 一部の証拠排除

6/19(月) 20:27配信

毎日新聞

 ◇窃盗事件 

 ◇67歳男の窃盗事件裁判

 奈良県警が令状を得ず全地球測位システム(GPS)を使って捜査した窃盗事件の裁判で、奈良地裁葛城支部(奥田哲也裁判長)は19日、GPS捜査は違法として証拠の一部を排除した上で、窃盗罪に問われた大阪府岸和田市の無職の男(67)に懲役3年(求刑・懲役4年)の判決を言い渡した。

 判決によると、男は2014年12月、和歌山県紀の川市などでトラクター計2台を盗んだ。捜査過程で奈良県警高田署員は、裁判所の令状を取得せず男が借りたレンタカーのトラックにひそかにGPS端末を設置して行動を確認した。

 最高裁は今年3月、令状のないGPS捜査を違法とする初の判断を示した。判決で奥田裁判長はこの判例も踏まえ、GPS捜査は令状が必要な刑事訴訟法の強制処分に当たると指摘。事件では署員が私物のGPS端末を使い、内規に違反して捜査の報告などもしておらず、奥田裁判長は「令状主義の精神を逸脱し、没却する重大な違法」と非難した。

 県警は「判決文を詳細に把握していないのでコメントは差し控える」としている。

 GPS捜査を巡っては最高裁判決後の今年5月、東京地裁が覚せい剤取締法違反などの罪に問われた被告に一部無罪を言い渡している。【郡悠介】

最終更新:6/19(月) 20:27
毎日新聞