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アングル:ハイテク株売りから回復、選別姿勢強める株式市場

6/19(月) 13:34配信

ロイター

[ロンドン/ニューヨーク 16日 ロイター] - 世界の主要株式市場はハイテク株売りによる急落から即座に立ち直り、トランプ米大統領の経済政策を当て込む「リフレトレード」に対する投資家の自信は健在のようだ。

ただ、相場回復の中身に目を凝らすと、投資家がどのセクターや地域に資金を振り向けるかで選別姿勢を強めている様子がうかがえる。

主要株式市場は6月に入って大きく下げたものの、MSCI世界株価指数<.MIWD00000PUS>は過去最高値まで1%弱の水準を維持している。またバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)とEPFRの調査によると、14日までの1週間の世界の株式市場への資金流入は246億ドルと、昨年11月の米大統領選以降で最大を記録。投資家は株式に資金を投入し続けている。

BB&Tウェルス・マネジメントのバッキー・ヘルウィグ上席バイスプレジデントは「株はなお魅力を保っている。行き場の決まっていない資金が依然として控えている」と指摘。株式市場は弱いインフレ統計や米連邦準備理事会(FRB)のタカ派への傾斜、経済指標の悪化などの悪材料をこなしており、「株式投資家は必ずしも市場からの退場を望んではいない」と話した。

リフレトレードの構成要素のいくつかは、既に反転した。インフレ期待の低下、トランプ政権発足後のドル高の修正、原油を初めとするコモディティ価格の下落などだ。年初に上昇した欧州と日本の株式市場も他の市場に対するアウトパフォームを吐き出し、米主要ハイテク株の下落をより大きな問題の前兆と受け止める向きもあった。

株安を受けて投資対象となるセクターや地域が大きく入れ替わった。ファンドがハイテク株などで利益確定を進める一方、出遅れている割安な銘柄に目を向けたためだ。

しかし、世界的な景気の堅調を支えに企業利益は2桁の伸びを示し、配当利回りにも妙味があるため、株式の需要は十分な追い風を受けており、夏にかけて株式市場がぐらつけば追加で買いを入れる好機になるとアナリストや投資家はみている。

トムソン・ロイターのデータによると、世界の株式の業績見通しに基づく株価収益率(PER)は約16倍で、過去20年間の平均にほぼ等しい。一方、来年にかけての企業利益の伸び率は13%と予想されており、過去6年間で最も見通しが明るい。

ただ、FRBや英イングランド銀行のタカ派姿勢や、株価のバリュエーションに対する懸念から、資金配分の見直しがある程度進んだ。

例えば、政治リスクが重しとなって昨年下げたトルコ株は、ドル建てでみると主要株式市場で最もパフォーマンスが良好。BAMLによると、数年前にはユーロ圏を巡る懸念に見舞われたギリシャとスペインもパフォーマンスが欧州で首位の座を争っている。

セクター別では、ハイテク株のほか、化学や資本財など業績が景気動向に左右されがちな業種が敬遠された。一方、食品・飲料、生活必需品など、景気循環に左右されにくく配当利回りの高い銘柄が選好されている。また、いったんは下げた金融株も再び買いを集めている。

FRBの金融引き締め策が株式市場の楽観論を揺さぶるのではないかとの懸念も、今のところ脇に置かれている状態。企業業績が好調なことから、投資家は利上げは景気の強さを表すと受け取りそうだとの声も出ている。

フェデレーテッド・インベスターズのポートフォリオマネジャー、スティーブ・シャバロン氏は「FRBの動きが活発になれば、火の勢いを弱めるのではなく、油を注ぐことになるだろう」と話した。

(Vikram Subhedar記者、David Randall記者)

最終更新:6/20(火) 13:34
ロイター