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<中国>「八一勲章」を新設 候補者17人 軍改革路線反映

6/19(月) 21:07配信

毎日新聞

 【北京・河津啓介、上海・林哲平】中国人民解放軍が8月1日の創設90周年記念日に合わせた新たな勲章を創設し、候補者17人を発表した。候補者の顔ぶれは、習近平・中央軍事委員会主席(国家主席)が進める海空軍重視の軍改革路線を色濃く反映している。秋の中国共産党大会で決まる軍首脳人事でも論功行賞による若手登用が進みそうだ。

 13日付の人民日報によると、中国の軍隊では1955年に抗日戦争などの英雄に、88年に功績があった退役軍人に、それぞれ勲章を授けている。今回は「軍隊への深い愛に満ちた習氏の指示」により「八一勲章」として新設。8月1日の記念式典で習氏自ら授与することになりそうだ。

 公表された17人の候補者は従来のような退役軍人だけでなく30代の若手も含まれている。国境地帯の実戦で奮闘した「英雄」だけでなく、宇宙飛行士や空軍パイロット、空母開発に貢献した研究者やミサイルやサイバー戦分野の専門家の名が並ぶ。陸軍偏重から脱し、海、空、宇宙やサイバー空間を重視する習氏の軍改革に沿った人選とみられる。

 軍改革に沿った論功行賞は幹部人事にも反映されている。今年1月に発表された海軍トップの司令官人事では、10年以上務めた呉勝利元司令官(71)=上将=に代わり、南シナ海を担当する南海艦隊司令官だった沈金竜氏(60)を登用。沈氏は2016年7月に中将に昇進したばかりだった。

 習氏は軍トップとなった12年以降、江沢民元国家主席に近いとされる徐才厚、郭伯雄の両元軍事委副主席を反腐敗運動で失脚させた。自らが昇任させた若手将官を取り立てることで、軍内に残る徐、郭両氏人脈の一掃を図る狙いがあるとみられている。

 中国軍首脳である中央軍事委メンバーの人事は秋の中国共産党大会直後に決まる。現在の中央軍事委は習氏を筆頭に11人から成るが、軍改革による組織再編の影響で権限や定数が変更される可能性が高い。論功行賞による若手登用の流れも固まってきた。中国軍は昨年1月の組織再編で、「4総部」(総参謀部、総政治部、総装備部、総後勤部)を15部門に再編。制服組である4総部の権限が細分化され、トップで文民の習氏の権限が相対的に強化された。

最終更新:6/19(月) 21:44
毎日新聞