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4K/8K対応のDisplayPort 1.4採用拡大。USB Type-C端子が主流に

6/19(月) 19:46配信

Impress Watch

 映像機器関連の規格化作業を行なうVESA(Video Electronics Standards Association)は19日、4K/8KやHDR映像の伝送にも対応するDisplayPort 1.4規格について、スマートフォンやパソコンなど最新の採用事例や「早期認定プログラム」なども交えて説明した。

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 DisplayPort 1.4は、4K/8K映像やハイダイナミックレンジ(HDR)信号などに対応する、DisplayPort(DP)規格の最新版。従来のDP 1.2の技術をベースに、今までのDisplayPort端子ではなくUSB Type-Cから映像/音声を出力する「DP Alt Mode」、帯域幅を拡張する「HBR3」(ハイビットレート3)をサポート。総帯域幅は32.4Gbps(8.1Gbps×4レーン)で、従来のHBR2から50%拡大。5K×3K(60Hz/4:4:4)や8K×4K(60Hz/4:2:0)の映像伝送を可能とする。転送レートは25.92Gbps。

 HBR3のサポートに加え、映像圧縮技術のDisplay Stream Compression(DSC)を活用することで、USB Type-Cからの8K/60Hzや4K/120HzのHDR映像の伝送にも対応可能となっている。

 VESAでは、DP 1.4のHBR3を使った映像ソースや、ディスプレイの開発において「早期認定プログラム」を提供。DP1.4でサポートする機能や性能の適合性を確認し、互換性確保を目指すもので、’16年にプラグテストイベントを3回実施。'17年は米国で3月に実施済みで、次回は6月26日に台湾で行なう予定。

 DP 1.4のコンプライアンステスト仕様(CTS)は現在開発中で、これにはHBR3やDSCなどの検証、リンクレイヤーや物理層の試験に関するドキュメントのアップデートが含まれ、'17年後半の発行を目指している。認定プログラムの主要実施機関であるグラナイトリバーラボ(GRL)が、DP 1.4のCTS作成に携わっている。

 GRLが早期認定プログラムで現在提供しているテストサービスは、DP 1.4が内包するDP 1.2の仕様を満たしているか確認する「DP 1.2コンプライアンステスト」、USB Type-C経由の映像/音声出力を検証する「DP Alt Mode on USB Type-Cテスト」、HBR3の物理的な信号送信/受信が行なえているかを確認する「HBR3 シンクテスト」で構成。

 テストは従来は手作業で長時間かかっていたが、テクトロニクスの機材上で動くソフトを開発。画面からテスト項目を選ぶだけで自動実行できるようになり、試験時間も短縮。実行中は別の作業をしたり、夜中に行なわせて翌朝チェックするなど手間を省き、開発期間の短縮が可能となっている。

 既にAMD、NVIDIA、RealTek、MSTARの製品が早期認定プログラムによる認定を受け、市場に出荷されている。その他、IntelのGPUや、DellやHP、Acer、ASUS、LGエレクトロニクスなどの製品が認定済みで、取得に向けてさらに多くのVESA会員企業が機能開発に取り組んでいるという。同プログラムで製品化された製品には「DP Certified」ロゴが付与される。

■DisplayPort端子のUSB Type-Cへの置き換えは5年程度

 USB Type-Cから映像/音声を出力するDP Alt Modeは、USB 3.0/3.1の持つ複数のレーンを利用し、USB Type-Cコネクタ経由でDisplayPort出力が行なえる技術。一部CPUがハードウェアレベルで対応している。

 Alt Modeを活用することで、スマートフォンをドックに載せて充電しながら液晶ディスプレイにパソコン画面のようなデスクトップモードを表示。ドックに繋いだキーボードやマウスでスマホのデスクトップ表示用アプリを操作できるようになることをアピールした。

 Multi-Stream機能によって、ドックに接続された複数のモニタの帯域幅を共有したり、1本のケーブルで4K映像とUSBデータの転送を同時に行なうといった利用方法もサポートする。

 このほか、VESAではVR(仮想現実)やAR(拡張現実)市場における標準化に取り組む分科会を創設。「分科会を設立して標準化を促進する必要性を強く感じている」として、技術分野の調査や推奨要件、潜在的な規格範囲の定義のほか、より秩序立った開発や実装が行なえるよう目標やスケジュールを設定する予定。

 VESAのコンプライアンス プログラム マネージャーのJim Choate(ジム・チョート)氏は、DP 1.4でUSB Type-C端子やAlt ModeをサポートしたことでVESAへのメンバー加入が増加傾向にあることを説明し、端子の薄さやリバーシブルで使えることがメリットと強調。「DisplayPort over USB Type-Cは小型製品やポータブルデバイスにおけるゲームチェンジャーになる」とした。

 また、「従来のDisplayPortはUSB Type-Cに置き換わるのか」という質問に対しては、「フルサイズ・ミニサイズはどちらも市場に残るが、無くなるまであと5年程度かかるだろう。小型・薄型化が進んだスマートフォンやノートPCには、(従来の)Mini DisplayPortでは大きすぎる。既にMacBookなどで採用されているように、今後、薄くかつパワーを必要とする機器ではUSB Type-Cが主流になると思う」と答えた。

AV Watch,庄司亮一

最終更新:6/19(月) 19:46
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