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田村に鶏舎新設 復興後押し 震災で生産停止「はやま農場」

6/19(月) 13:23配信

福島民報

 国内鶏卵市場で約15%のシェアを誇る業界最大手「イセ食品」(本社・東京都千代田区)の関連会社「はやま農場」は、福島県田村市船引町堀越地区に養鶏用の鶏舎10棟を新設する。来年8月の操業開始予定で、若雌100万羽を育てる。地元から60人程度を新規雇用し、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの地域経済復興を後押しする。
 はやま農場は震災前から川俣町山木屋地区で採卵・養鶏を手掛けていたが、原発事故に伴う避難指示で生産を停止した。県内からの事業撤退も考えたが、県や田村市から「地域の復興を応援してほしい」との要請に応え、同じ阿武隈地域に施設を新築し再スタートを切る。
 はやま農場の事業計画によると、敷地面積は約13・7ヘクタールで、既に地権者との用地取得交渉を終えている。敷地内には鶏舎のほか、汚水処理施設などの付帯施設や事務所などを設ける。鶏舎には千葉県の施設でふ化させたひなを運び込み、120日間飼育して宮城、茨城両県の採卵施設に出荷する。
 整備費用として7月に復興庁の東日本大震災農業生産対策交付金を申請し、早ければ10月にも造成工事に着手する。
 今年度中に造成工事を行い、鶏舎2棟と付帯施設を建設する。2018(平成30)年度に残りの鶏舎8棟を整備する。総工費は44億円規模になる見込み。
 造成工事開始を前に、17日に市内船引町の井堀多目的集会所で地域住民に対する説明会が開かれた。「イセ食品グループ」のイセファームの藤松浄常務執行役員生産本部長らが建設計画を説明した。地域住民からの異臭対策の要望を踏まえ、鶏ふん処理ではスクラバー脱臭や土壌脱臭、マスキングの3種類の方法で異臭を防ぐ方針を示した。

■新たな雇用市長が歓迎

 田村市では5月に田村西部工業団地内のデンソー福島が工場を拡張し、新たに300人程度雇用すると発表したばかり。イセ食品の関連会社の進出でさらに雇用が生まれる。
 県議時代から鶏舎誘致に携わってきた本田仁一市長は「新たな雇用が地域活性化につながり、人口減少対策の一助になることを期待したい」と歓迎している。田村市は今後、イセ食品に対し採卵施設の整備を含め地域経済に波及するような事業拡大を要望する。

福島民報社

最終更新:6/19(月) 13:55
福島民報