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太陽電池メーカーは消えるのか

6/19(月) 21:35配信

投信1

投信1編集部による本記事の注目点

 ・ 太陽電池(PV)の世界導入量が順調に拡大する一方で、PVメーカーの収益は年々厳しさを増しており、海外でも倒産・リストラが相次いでいる状況です。
 ・ グローバル企業は再生可能エネルギーの導入に積極的で、「RE100」という国際イニシアチブには、Microsoft、Google、Apple、Facebookなど、100社近いグローバル企業が名を連ねています。
 ・ 次世代PVとして開発が進むペロブスカイト太陽電池(PSC)に関する東京大学によるコスト試算では、モジュール効率20%と仮定するとkWhコストは1.05~1.6円と見積られ、製造装置や流通コストを入れても国が2030年の目標に掲げる7円/kWhが可能と分析されています。
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太陽電池(PV)メーカーの業績が低迷している。2016年度は販売数量が伸び悩み、国内のPVメーカーは軒並み業績を落とした。PVの世界導入量が順調に拡大する一方で、PVメーカーの収益は年々厳しさを増しており、海外でも倒産、リストラが相次いでいる。

PVメーカーの収益を圧迫する最大の要因は価格下落である。FIT(固定価格買取制度)に代表される導入支援政策で普及が進んだPVにとって、発電コストの低減は自律成長を目指すうえで至上命題だ。16年はPVモジュールの価格が3割程度下がったようだが、17年はさらに1割以上下落すると予測されている。これは需要側にとっては大変喜ばしいことだが、PVメーカーにとっては死活問題となっている。

価格を下げなければ自律成長が進まないが、一方で、コスト低減が遅れると、瞬く間に利益が吹き飛んでしまう。「競争力がなくなれば市場撤退もやむなし」と突き放すのは簡単だが、PVメーカーがいなくなれば、PV自体の普及にもブレーキがかかる。PVメーカーは正念場を迎えている。

需要減で業績低迷

シャープ、京セラ、パナソニック、三菱電機の国内主要PVメーカーは、16年度(17年3月期)は揃ってPV事業が低調だった。シャープと三菱電機は前年同期比で3割の減収、京セラ、パナソニックも減収だった。

収益性も悪化している。京セラはセグメント全体では156億円の事業利益を確保したが、PV事業に関しては「ほとんど利益が出ていない」という。パナソニックも16年度は赤字に転落した。シャープは原材料契約の見直しやコスト低減で16年度は22億円の黒字を確保したが、前年度(15年度)には184億円の巨額赤字を計上している。

昭和シェル石油のエネルギーソリューション事業(CIGSを展開するソーラーフロンティア含む)は16年度(16年12月期)は増収だったが、円高、価格下落で2期連続の営業赤字となった。

PVの販売数量も減少している。16年度におけるシャープのPV販売数量は700MWだったが、14年度と比較すると6割も減少している。パナソニック、三菱電機もこの2年間で販売数量はおおむね4割減少した。

一方、京セラは1100MW、ソーラーフロンティアは850MWを販売した。販売数量だけを見ると、この2年間は同水準を維持している。もっとも、5社平均では、16年度の販売数量は14年度比で4割程度減少したようだ。

太陽光発電協会(JPEA)の統計によると、16年度のPVモジュール総出荷量は15年度比で1割以上減少したが、日本企業の出荷は2割以上減少した。また、国内出荷における海外生産モジュールの比率が6割を超えるなど、国内生産の縮小を裏付ける結果となった。日本企業の国外出荷(輸出)も15年度比で3割以上減少した。

事業環境の悪化でPV関連企業の倒産も増えており、17年春には、両面受光型PVセルを製造するPVGソリューションズ(神奈川)、PVモジュールの製造・販売を行うZEN POWER(福岡)が相次ぎ破産した。

東京商工リサーチの調査によると、16年度におけるPV関連事業者の倒産件数は68件で、15年度の61件を上回り過去最高を更新したという。ノウハウの蓄積が乏しいにもかかわらず、安易に事業参入して破綻するケースが目立つと同社は分析している。

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最終更新:6/19(月) 21:50
投信1

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