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富士フイルム、フォトレジスト生産能力50%増強

6/19(月) 11:35配信

日刊工業新聞電子版

■静岡工場に新設備、半導体微細化追い風

 富士フイルムは最先端の半導体生産に使われるフォトレジストの生産能力を現状比50%増強する。富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズの静岡工場(静岡県吉田町)に、フッ化アルゴン(ArF)用レジストの調合タンクやフィルターを含む充填設備を新設する。2017年度末をめどに稼働し、需要に合わせて生産量を増やしていく。投資額は約10億円。半導体で続く微細化要求を追い風に、アジア・欧米市場を深耕する。

 フォトレジストはシリコンウエハーに回路パターンを焼き付ける感光性樹脂。富士フイルムが増産するArF用は、微細化で主流のマルチパターニング(複数回露光)で使う。フォトレジストの塗布や露光、エッチングといった工程を繰り返すことで素子や配線を集積するため、高機能・低コスト化が進む最先端半導体の需要増に合わせた伸びを見込めると判断した。

 ArF用フォトレジストの調合タンクなど新設備は静岡工場の既存建屋に追加し、アジア・欧米の顧客から認証を取得する。また、3次元(3D)構造のNAND型フラッシュメモリーや微細化が著しいイメージセンサー向けに高まる厚膜加工ニーズにも期待。需要動向を見極め、旧式のフッ化クリプトン(KrF)用フォトレジストについても3年内の増産を検討する。

 足元の半導体需要はスマートフォンの出荷減速やIoTの遅れで、年率2―3%と低成長で推移する半面、ArF用レジストやCMPスラリー(研磨材)など最先端領域で使われる高付加価値材料の需要が底堅い。

 富士フイルムの半導体材料事業は09年度から16年度まで年率2ケタ成長を続けており、16年度の事業売上高は、09年度比約3倍の規模に育った。