ここから本文です

フリーゲージトレイン導入見送り、どうなる長崎新幹線 鍵は佐賀県?

6/19(月) 6:20配信

乗りものニュース

新幹線と在来線を直通する画期的システム…だった

 長崎新幹線(九州新幹線西九州ルート)へのフリーゲージトレイン導入をJR九州が見送る方針であると、2017年6月、新聞など複数のメディアが報じました。割高と予想される運行コストなどが理由で、7月にも正式発表されるといいます。もし実際に見送られた場合、長崎新幹線は、そしてフリーゲージトレインは今後、どうなるのでしょうか。

【写真】九州新幹線を走るフリーゲージトレイン試験車両

「フリーゲージトレイン」は和製英語です。日本語で表すと「軌間可変電車」。「軌間」は2本のレールの間隔を意味します。

 新幹線の軌間は1435mm(4フィート8.5インチ)、在来線の軌間は1067mm(3フィート6インチ)です。それぞれで軌間に合った車両が使われているため、そのままでは直通できません。現在もほとんどの新幹線と在来線は乗り換えが必要です。そこで「車両側の車輪の取り付け幅を変化させ、新幹線と在来線を直通運転しよう」という方法が検討されてきました。これがフリーゲージトレインで、実現すれば、乗り換えなしで目的地まで到達できます。

 新幹線と在来線を直通する方法としては、山形新幹線「つばさ」や秋田新幹線「こまち」のような「ミニ新幹線」方式もあります。これは在来線区間の線路を新幹線と同じ軌間に改造して、新幹線車両を直通させる方式です。軌間は新幹線の、車両サイズはひとまわり小さい在来線の規格で整備します。ミニ新幹線方式は基本的に、従来からある在来線のトンネルや鉄橋をそのまま使えるため、新幹線(フル規格新幹線)の新路線を造るほどの高額なコストはかかりません。

 しかし、ミニ新幹線方式は、在来線の線路改造費が発生するうえに、工事中は列車を運休する必要があります。また、普通列車に使う車両も、改造後の線路に対応させねばなりません。ですがフリーゲージトレインを使えば、軌間の変更を車両側で対応できるため、在来線の軌間改造は不要となり、もっと低コストで新幹線との直通運転ができます。普通列車も既存車両を使えます。

 どちらの方式も、在来線区間の速度は従来と同じか、少し上がる程度です。スピードよりも直通の利点を重視した方法といえるでしょう。

 新幹線と在来線の直通運転を実現するにあたり、線路と在来線車両にお金がかかるミニ新幹線方式より、車両だけ高額なフリーゲージトレインの利点が大きいと考えられてきました。車両が準備できれば、直通運転におけるハードルが大幅に下がります。

1/4ページ