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ニラ×ギョウジャニンニク 「行者菜」好評 増産へ 産地が連携、技術交換 東北や北海道

6/19(月) 7:02配信

日本農業新聞

 ニラとギョウジャニンニクを交配した「行者菜」の特産化が北日本で進んでいる。見た目はニラに近く、味や香りはギョウジャニンニクに似ている。冷涼な気候に適し栽培しやすく、希少性による差別化で需要も高まっている、最北の産地、北海道網走市では畑作農家が増産を進めている。生産の元祖、山形県長井市では、旺盛な需要を背景に5年で生産者を100人にすることを目指している。

 「生のにおいは強いが、火を通すと甘味に変わる。においも残りにくい」と、網走市で行者菜を生産する金澤尚秀さん(64)は味わいを語る。同市では、畑作農家ら7戸でオホーツク網走行者菜研究会を構成。育苗畑を含めて18アールを作付けする。ハウスでは4月中旬から収穫を開始。5月には露地物の出荷も始まる。畑作物を数十ヘクタール作付けする生産者が多く、繁忙期とも重なるが「1アール当たり50万円ほどの売り上げがあり、需要も多い。」と言う。地元のJAオホーツク網走が販売を担い、関東や関西の市場にも出荷。6月には市内の給食センターに無償提供し、小・中学校での認知度向上にも取り組んでいる。

 行者菜は、宇都宮大学農学部の研究グループが開発した。希少性やブランド力を保つため、同グループの許可を得た市町村だけで栽培している。現在は網走市を含め、6道県の各1地域で生産。産地の生産者は全国研究会を組織し、年1度集まり、意見交換や技術交流を進めている。

 青森県六戸町の行者菜を取り扱う八戸中央青果は「ニラとの香りや成分の違いを知られることで購買客が増える、魅力ある作物」(野菜1部)とし、希少性を維持することが重要と指摘する。

みそやラー油を商品化

 全国に先駆けて2006年から生産を始めた長井市は、「日本一の行者菜の里」とうたう一大産地だ。7人から始まった生産者は、30人に広がっている。取り扱う飲食店も十数軒あり、特産物として浸透している。12年には生産者や飲食店経営者らで、市長をトップにした「行者菜等産地化戦略会議」を結成。21年までに生産者を100人にすることを目指す。

 同市の生産者で、全国研究会の会長を務める遠藤孝太郎さん(65)は「地域の農業を守るためにも、他の産地とも連携して大事に育てていきたい」としている。

日本農業新聞

最終更新:6/19(月) 7:02
日本農業新聞