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「マグロ狙って取っているわけでは…」 特別警報、漁業者戸惑い/青森

6/19(月) 11:13配信

デーリー東北新聞社

 青森県の太平洋海域での定置網による小型クロマグロ(30キロ未満)の漁獲上限が迫っているとして、県は15日に特別警報を出した。10キロ未満の個体の放流などを促すが、さまざまな魚種を混獲する定置網漁では意図せずマグロが網に入る場合が多く、漁業者からは「取ろうと思って取っているわけではない」と戸惑いの声も聞かれる。

 八戸港では、定置網漁のシーズンに入ったばかりの現在、水揚げは八戸市南浜漁協の4隻のみで、イナダやカレイ、サクラマスなどが主に漁獲される。17日朝に水揚げした1隻は、小型マグロ3匹が網に掛かったが、全て逃がしたという。

 その漁労長は「マグロで成り立っている漁業ではないので経営面の影響はない。でも放すのは手間だし、放してもすぐ死ぬかもしれない」と話した。

 三沢市漁協の担当者は「マグロだけ取らないということはできないし、そもそも制限数量が少なすぎる」と困惑した様子。回遊魚だけに網に掛かると死ぬ場合が多く、生きたままの放流は難しいという。

 漁協関係者は「制限は国と国との決め事で、沿岸漁業者の外側の話。県に問題点を問い合わせてもはっきりとした答えが返ってこない」と頭を抱える。

 六ケ所村内の3漁協は特別警報を受け、30キロ未満の個体を全て放流することを申し合わせた。現在の管理期間が終わる6月末まで間もなくということもあり、村海水漁協の橋本兼蔵組合長は「操業自粛になれば困るのは当然だが、管理期間の終了まで辛抱するだけだ」と淡々とした様子。

 東通村内の定置網漁業関係者は「5月に入って網にマグロが入り始めた。下旬以降は漁獲枠を守るべく、10キロ未満を自主的に放流してきた」とする。

 特別警報は、第2管理期間(2016年7月~17年6月)に定めた漁獲上限30・3トンの9割を超えたとして、関係26漁協に通知された。県計画では9割5分を超過した場合、マグロの操業自粛を要請する。

 上限を超えれば、国際ルールにのっとり超過分が第3管理期間(17年7月~18年6月)の漁獲上限から差し引かれる仕組みで、県は「漁業者にとって厳しい局面だが、国際的な資源管理なので協力し合ってほしい」と呼び掛ける。

デーリー東北新聞社