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JALとANAが航空流通とマーケティングを議論、航空券予約の近未来と注目の市場トレンドとは? ―WIT Japan 2017

6/19(月) 12:02配信

トラベルボイス

このほど開催されたオンライン旅行の国際カンファレンス「WIT Japan 2017」。そこで注目されたセッションのひとつに、「航空配分とマーケティング:機会/Airline Distribution & Marketing: The Opportunities」があった。登壇者は、日々、ライバルとしてしのぎを削るJALとANA、さらに世界の航空券比較メタサーチの日本トップが登壇。WIT創始者Yeoh Siew Hoon氏のモデレ―ションにより航空業界のキーパーソンとなる3名が繰り広げた日本市場の航空券流通・販売のトレンド、将来有望なビジネスなどについて議論をまとめた。

モバイル利用が浸透するも、決済サービスは別

まず、航空券流通で目立つ最近のトレンドについて、スカイスキャナージャパンCEOの絹田義也氏は個人旅行(FIT)の増加に加え、特に日本で顕著な事象として「モバイル利用の増加」と指摘した。スカイスキャナー利用者がモバイルを利用するセッション比率は、全世界平均が61%であるのに対し、日本市場は70%。モバイルでの購買が急速に定着しつつあると見ている。

モバイル利用の拡大は、航空2社も実感している。JALの場合、特にレジャー市場で目立ち、モバイル経由の予約は前年比で倍増の勢い。モバイル対PCサイトの予約比率は、すでにモバイルが半分以上を占めている。JALのWeb販売部海外Webグループ長・藤田亘宏氏は、「個人向けにパーソナライズすることが可能なデバイスで、ワン・トゥー・ワン・マーケティングに適している」とモバイルの役割に期待する。

ANAのモバイル比率は明らかにならなかったが、自社直販ウェブサイトの比率は、国内線では半分以上。国際線ではまだ3割以下という。

しかし、日本のユーザーの予約・購買行動を見ると、変化のスピードが緩やかな部分もある。例えば、日本と中国のモバイル利用者と比較した場合、最大の違いは、決済にもモバイルを利用するかどうか。「日本では、決済にはクレジットカードや銀行、デポジット、コンビニエンスストアなどが長い間、利用されており、今も根強く支持されている。対する中国は、(メッセンジャー・サービスを利用した)モバイル決済の時代へと一気に移行した」(絹田氏)。

中国のWeChatなどに相当する日本の人気メッセンジャー・サービスといえばLINE。だが、その利用方法は「圧倒的にコミュニケーション・ツール。販売よりプロモーション。カスタマーサービスにも、少なくとも私の部署では利用していない」(ANAマーケティング室インバウンド・ツーリズム推進チームリーダー石井伯彦氏)、「スタンプを楽しむなど、販売支援のプロモーション」(JAL藤原氏)というのが現状だ。

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最終更新:6/19(月) 12:02
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