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九州国際重粒子線がん治療センター、患者2000人超える 開設3年8カ月 佐賀

6/19(月) 11:15配信

佐賀新聞

治療部位拡大、福岡からが半数

 九州国際重粒子線がん治療センター(愛称・サガハイマット、鳥栖市)は、治療開始から3年8カ月となる4月で患者数が2千人を超えた。2016年度は651人で、全国に5カ所ある重粒子線がん治療施設の中で最も多い患者数となった。

 センターと佐賀県によると、患者数は治療を始めた13年度(8月27日から)が132人、14年度554人、15年度620人、16年度651人と毎年増えている。16年4月からは切除非適応の骨軟部腫瘍が公的医療保険の対象になった。16年は海外からの受診もあり中国2人、台湾1人が治療した。

 治療の対象は、前立腺がん限定でスタートし、頭頸部と骨軟部(骨肉腫など)、肺、肝臓、膵(すい)臓、直腸(骨盤内再発)、腎臓の8カ所に広がった。本年度中に食道、子宮も対象に加える予定で準備を進めている。

 前立腺がんが1309人で65%を占める。次いで肝臓の208人(10%)、肺・縦隔165人(8%)、膵臓111人(6%)、頭頸部99人(5%)となっている。

 居住地別でみると、福岡県の患者が1007人で半数を占め、次いで佐賀県348人(17%)、長崎県154人(8%)、熊本県137人(7%)と続き、九州7県で92%を占める。

 開設当初は4年で2千人の患者数を見込んでいた。中川原章理事長は「3年8カ月での2千人突破は予想以上の早さ」と話す。要因として医師をはじめ優秀なスタッフの確保が進んだことや、九州・山口全域で医療(医診)連携が整い信頼関係が構築できたこと、地の利があること-などを挙げる。5月末には3室目の薬事申請が承認され、次世代型照射装置の稼働が目前に迫る。

 中川原理事長は「新しい装置の稼働で、一人一人の患者さんに合った治療をもう一段階、進められる時期に来ている」とし、適応の定義作りをさらに進める考えを示す。

資金調達162億5000万円に

 予想を上回るペースの患者が利用している九州国際重粒子線がん治療センター(愛称・サガハイマット、鳥栖市)。3年連続で黒字を確保し、「年間患者数が800人を超えれば、経営面でも安定する」と見込む。2016年度末現在、整備資金の目標額150億円に対し「162億5千万円を資金調達した」としている。ただ、この中には当初想定しなかった融資分28億7千万円、九州電力が寄付を約束した39億7千万円を含んでいる。九電は12年度以降、業績悪化を理由に寄付を見送り、全額の寄付には至っていない。

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最終更新:6/19(月) 11:15
佐賀新聞