ここから本文です

イスラム国指導者・バグダディ容疑者に殺害報道 ロシアが“生死確認中”でも報道した狙いとは?

6/19(月) 19:10配信

AbemaTIMES

 ロシア国防省によると、シリア北部のラッカ近郊で5月28日、会議のために集まっていた過激派組織「イスラム国(IS)」幹部らをロシア軍が爆撃。イスラム国の司令官ら約30人と戦闘員約300人を殺害した。この会議には、最高指導者のバグダディ容疑者も参加していたとみられ、死亡した可能性があるという。現在、ロシア側は確認を進めている。

 ロシア軍は今回の攻撃や時間について、事前にアメリカ側に通告していたという情報もある。イスラム国は、もともと国際テロ組織「アルカイダ」から派生した組織だが、アルカイダの指示を無視して残虐な行為を続けたため、2014年2月にアルカイダから絶縁宣言されていた。

 バグダディ容疑者をめぐっては、過去に空爆などにより「死亡した」「負傷した」という情報がたびたび伝えられていた。ロシア軍が爆撃した5月28日以降も、イスラム国は犯行声明の発表やテロなどを起こし続けている。果たして今回の情報は本当なのか。また、報復などの可能性はあるのだろうか。

殺害報道はロシアの“自信”か

 中東情勢に明るい放送大学教授の高橋和夫氏は、AbemaTV出演の直前まで、日本イスラム協会の食事会に参加していたという。「まだ日本ムスリム協会には確認情報が入っていなくて、僕が話したら『え、そうなの?』という雰囲気で、半信半疑。話題になるところまではいかなかった。というのは、これまで何度もバグダディには死亡説が出ているので、『またか』という感じがある。ただ、今回はロシア筋。これまでは、アメリカ筋かイラク筋が『バグダディ死亡』と何回もうってきた。ところが、今回は情報源が違う」と述べ、これまでの「バグダディ死亡説」との違いを述べた。

 情報の確度については、「判断はできないが、ロシアがこんなことを発表するのは今まではなかった。だから、よっぽど自信があるのかな?という感じ」と、高橋氏は見解を示す。

 ロシア国防省の発表を整理すると、ロシアは5月末にラッカ周辺でイスラム国の幹部が会合を開くとの情報を入手した。会議の目的は、ラッカからのイスラム国戦闘員撤退に関する協議で、ロシア側は無人偵察機で会議の時間と場所を確認したという。ロシアメディアのインタファクス通信は「イスラム国の最高指導者死亡について、ラブロフ外相は『100%の確証なし』」と発言し、ノーボスチ通信は「空爆によるイスラム国最高指導者の殺害情報を国防省が確認中」と伝えている。

 ロシアの中東政策に精通する未来工学研究所研究員の小泉悠氏は、「イスラム国は携帯のアプリで連絡をしていて、それをロシア軍が傍受した。国防省の正式発表なので、情報には自信がある。大統領府はこの情報について、『国防省しか判断できない』と発表している。ロシアは恥をかきたくないだろう」と分析する。

1/3ページ

最終更新:6/19(月) 19:10
AbemaTIMES