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原子力ルネサンスから解体の時代へ…使用済み核燃料の処分がカギ

6/19(月) 16:40配信

ハンギョレ新聞

古里1号機、世界で161番目に稼動停止 解体承認・除染・復元に15年以上かかる 使用済み核燃料棒取り出してから撤去作業を開始 古里原発、2024年には飽和、外部に搬出すべき 2035年の核廃棄物処分場の稼動も不透明  永久処分場誘致に向けた住民投票後、敷地を選定 「慶州のように手続きの順番を間違えている」との批判も

 40年間稼動してきた古里(コリ)原発1号機が18日午前零時を期して止まる。世界で稼動停止に入る161番目の原発だ。世界原子力界は2000年代半ばに再処理と高速炉など第4世代原発で原子力ルネサンスが開けると予想したが、技術の限界と福島原発事故によって、原発建設が激減している。これまで建てられた611機の原発の中で2030年代までに寿命が終わり、解体に入るものと見込まれる原発は499機に達する。韓国も、古里1号機を皮切りに2030年までに原発8機が寿命を迎える。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、老朽化した原発の寿命延長をしないと公約した。古里1号機は「原発解体の時代」への突入を知らせるシグナルだ。

 古里1号機の解体には15年以上がかかると予想されている。中でも、古里1号機から出た使用済み核燃料(核ゴミ)を保存する高レベル放射性廃棄物処理場(核廃棄場)を確保できるかどうかがカギとなる。政府は2028年までに核廃棄場の敷地を選定し、2035年から中間貯蔵施設を稼動する計画を立てたが、敷地の選定手続きの順番が間違っているとの指摘があり、原発の解体が順調に進められるかどうか不透明だ。

稼働停止の最初のボタンは47時間前に開始
 古里1号機は19日0時に公式的に永久停止される。しかし、原発は電灯のようにスイッチを切れば、直ちに止まるわけではない。稼動停止のための最初の処置は47時間前の17日未明1時に行われた。発電所長の命令を受けた発電チーム長が出力を減らし(reactor power cutback)始めた。発電機は出力が徐々に下げられ、午後6時に完全に停止された。約1時間後に原子炉内の核燃料棒の核分裂を止めるための制御棒が挿入され始めた。300度まで上がっていた原子炉の冷却材が冷め始めて、93度前後の常温状態になるのは19日0時になると予想される。原発が公式的に停止するのはこの時点だ。

 原発の解体は永久停止と同時に始まり、解体の承認、使用済み核燃料の搬出、放射性系統・構造物の撤去、敷地の復元などの複数の段階を経て進められる。しかし、厳密に言うと、古里1号機原発の解体は2年前に始まった。原発運営者である韓国水力原子力(韓水原)は2015年6月、永久停止時点の2年前に提出するようになっている寿命延長(継続運転)申請を行っておらず、事実上、古里1号機の永久停止に突入した。これによって、韓水原は原子炉停止による原発運営変更許可を原子力安全委員会(原安委)に提出し、昨年9日に承認を受けた。

 実際的な原発解体の最初の関門は解体の承認である。運営者は解体計画書を作成し、住民の意見を集約した後、原子力安全委員会に提出して承認を受けなければならない。韓水原はこの地点までは無理なく進められると見ている。19日、原発が停止すれば、3週にわたって格納施設内部の原子炉から燃料棒を取り出して臨時貯蔵プールに保管する。既存の燃料棒とともに少なくとも5年の冷却期間を経て、使用済み核燃料棒を他のところへ移動させることができる。以降本格的な除染(放射性物質汚染除去)作業と撤去が行われる。

問題は核廃棄場
 問題は使用燃料棒の搬出が容易ではないということにある。4機の原子力発電所がある古里原発本部には、合わせて5903本の使用済み核燃料棒が保管されているが、飽和率が73.3%に達する。古里2~4号機の設計寿命時点は2023~2025年に逐次到来する。現在の状態が続くと、古里4号機が寿命を迎える前の2024年に8904本の保管容量が一杯になる。もし古里1号機の解体に向けて使用済み核燃料棒を2~4号機の臨時貯蔵施設に移せば、2~4号機の停止時期をさらに早めなければならないということだ。

 隣接している新古里第1~4号機は行政区域が違うため、今年1月からセウル原発本部に使用済み核燃料棒を移すこともできるが、それも容易ではない。そこの貯蔵庫も容量が十分ではないからだ。例えば、寿命が60年の新古里4号機の臨時貯蔵タンクには20年分の使用済み核燃料棒だけを保存できる。政府が推進する「高レベル放射性廃棄物処理場」は2028年に敷地が選定され、2035年に中間貯蔵施設の運営に入る。それまで、原発本部別に乾式貯蔵施設を建設して保管するための法案が国会で論議されているが、地域住民が反発しており、円滑に推進されかどうかは不透明だ。高レベル放射性廃棄物処理場の場合にも使用済み核燃料の公論化を経たにもかかわらず、外国の推進手続きとは異なり、精密敷地調査の前に住民の意思を確認するようにしているため、市民・環境団体は修正を求めている。フィンランドやスウェーデンなど永久処分場の建設段階に入った諸国は、精密な敷地調査を通じて安全な敷地を確保した後、十分な時間をかけて住民を説得してきた。環境団体は、精密な敷地調査を行う前に住民の意思を先に問う現行の日程は、敷地選定の後も議論を呼んでいる慶州中・低レベル放射性廃棄物処分場の二の舞になる可能性があるとして懸念を示している。

世界の原発解体市場のブルーオーシャン?
 使用済み核燃料棒を搬出した後に行われる除染は、原子炉格納施設内部の原子炉圧力容器など、原発施設に付いている放射性物質を除去する作業である。雑巾かけのような機械的な洗浄と、洗剤で洗うような化学的・電気化学的工程などが必要である。除染が終わったら切断や撤去作業を行い、廃棄物を容器に包装して保管する。放射能が高い環境で作業をしなければならないため、遠隔解体技術も必要だ。韓水原は、原発を解体するのに必要な技術は70~80で、ほとんどは韓国が確保している商用化技術だが、17の技術は新たに開発しなければならないとしている。韓国原子力研究院のソ・ボムギョン解体技術研究部長は「2021年までは100%の技術を確保し、工学的な検証まで終えることができるだろうと見ている。しかし、これを体系化して産業体に移管し、古里1号機解体に適用するのは別の問題」だと指摘した。韓水原原発事後管理処のチェ・ヨンギ解体事業チーム長は「これまで世界原発会社業界で原発の解体に向けた新技術の開発に乗り出したが、既存の産業の技術でも原発の解体に大きな問題はないというのが関連分野の評価だ」と説明した。

 現在稼動が停止した原発160機のうち、解体が終わった原発は19機だ。11機は原型炉で、商業用原発は8機だけだ。現在稼動中の原発は449機で、1960~1980年代に建設した原発の寿命が満了する2020年代以降、解体に入る原発は大きく増える見通しだ。原発の解体にかかる費用も大幅に増え、2040年代まで約250兆ウォン(約24兆5千億円)、2050年以降は約180兆ウォン(約17兆7千億円)など440兆ウォン(約43兆1千億円)を上回るものと推算されている。一部で原発の解体市場が「ブルーオーシャン」と見なされているのも、そのためだ。ところが、それは錯視現象かもしれないという指摘もある。市場に原発の解体が持続的に行われているわけではなく、断続的でる上、解体の実行まで10~15年という長時間が必要であると共に、各国内の情勢と寿命の延長政策が流動的であるため、安定的な市場ではないということだ。

古里/イ・グンヨン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr ) )

最終更新:6/19(月) 16:40
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