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「不発弾・米軍基地・毒ガス移送」沖縄問題、アートで訴え カナダ在住、浦添出身の和美さん

6/19(月) 15:20配信

沖縄タイムス

 【小橋川慧通信員】アルバータ州の州都エドモントン市内のラチチュード53現代美術館で、政治・社会問題を創作のテーマにしている6人のアーティストの美術作品展が3日から開催されている。主催者のカナダ芸術家協会とアルバータ州芸術団体に招待された6人の中に、2010年以来、アートを通して沖縄の基地問題をカナダの人たちに知ってほしいと制作活動を続けている浦添市出身の和美・マースィエンセンさん(旧姓銘苅、レスブリッジ市在)もいる。

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 和美さんの1点目の作品は、沖縄戦後70年以上たった今も続く不発弾問題をテーマにしたキャンバス画3枚。和美さんの弟が小学校の帰りに不発の手りゅう弾を見つけ交番に届けた実話に基づいており、絵のモデルには息子の大器君。作品の説明には「この問題は次の、さらに次の世代まで続くだろう」とある。

 昨年制作された2点目の作品は戦後71年間、米軍基地に悩まされてきた沖縄をテーマにしている。71カ所に傷のある赤く塗られたオーク材の沖縄の図形と、透明な箱に入った「図形に傷をつけた有刺鉄線の付いた武器」。「武器」を透明な箱に入れた理由は、証拠がはっきりしていても解決困難な沖縄の基地問題を強調するためという。 

 沖縄では、米軍基地に貯蔵されているのが明らかになった毒ガスを、島外へ移送する作業が1971年にあった。毒ガス撤去の最後の船が「THAT’S ALL FOLKS(皆さん、これでおしまい)」と書かれた旗を掲げて出航したにもかかわらず、2013年に沖縄市のサッカー場で見つかったドラム缶から枯れ葉剤の主成分が検出された。15年までに同様のドラム缶が計100個以上も見つかっていることから、和美さんの3点目は、枯れ葉剤などによる環境汚染の問題は沖縄では終わっていないという意味を込め、大きなキャンバスにアクリルインクで「That’s Not All Folks(おしまいではない)」と書いた。この作品は本展示会のプロモーション画像として使用されている。

 初日のレセプションで、カナダ芸術家協会の専務理事クリス・カーソンさんは和美さんに「作品と説明書が簡潔で効果的に提示されていた」と賛辞を繰り返した。その上で「あなたの作品に出合うまで、日本の本土から遠く離れた小さな島に米軍基地が集中的に建設され、その結果、環境汚染や暴行事件など複雑な問題が発生していることを知らなかった」と話した。6人展は7月15日まで開催される。

最終更新:6/20(火) 20:55
沖縄タイムス