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台湾→与那国の渡航実現へ 手作りいかだ、黒潮挑む 悪天候でテスト航海中断

6/19(月) 15:10配信

沖縄タイムス

 【松田良孝通信員】2019年に竹を使った手作りのいかだで台湾から与那国まで航海することを目指す国立科学博物館の「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」(代表・海部陽介人類研究部・人類史研究グループ長)は11日、台湾本島の台東から沖合の緑島を目指すテスト航海を行った。

 台湾から与那国までの航海は、黒潮を越えられるかが成功のカギを握る。緑島は黒潮のただ中に位置し、事前調査では3~4ノットの流れとみられていたが、実際は5ノット程度と推定され、いかだは理想のコースから西側にずれる形で進んだ。海部グループ長は「原始的な舟で黒潮を越えるのがどういうことなのか、実体験できたことは非常に大きい」としている。

 テスト航海は午前4時に台東県南部の大武を出発し、午後6時半ごろまで行った。大武から緑島は直線距離で約70キロ。いかだは5人で漕ぎ、最速で2ノット程度。途中で1人が体調不良を訴え、漕(こ)ぎ手を交代した。

 衛星利用測位システム(GPS)やコンパスなどは使わず、波や風、太陽、周囲の地形などを頼りに実施した。途中から台湾本島に雲がかかって地形が読めなくなったり、うねりが出て舵(かじ)が利かなくなったりしたため緑島の沖約10キロの地点で打ち切った。

 漕ぎ手の監督を務めた内田正洋氏は「舟のスピードが上がらないと、黒潮の中で舟をコントロールできない。スピードを上げるために、舟の軽量化などが課題」と指摘した。

テスト航海で緑島を目指す竹のいかだ=11日、台湾台東沖(国立科学博物館「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」提供)

最終更新:6/19(月) 16:40
沖縄タイムス