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可夢偉「僕たちのレースになると思っていた」。トヨタ、大波乱のル・マンで8号車が9位完走

6/19(月) 5:50配信

オートスポーツweb

 現地時間6月17日(土)15時にスタートが切られた第85回ル・マン24時間耐久レース、あとわずか届かなかった2016年の雪辱を果たすべく3台のトヨタTS050ハイブリッドを投入して臨んだ今大会は、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)にとって無念の終幕となった。TGRの3台はそれぞれ順調なスタートを切ったものの、中盤を迎える前に8号車トヨタにマシントラブルが発生。また、深夜には7号車トヨタと9号車トヨタがリタイアした。レース後半、トラブルを解消した8号車トヨタが追い上げをみせ、最終的に総合9位で完走した。

【画像】リタイア後、クレーンで釣り上げられる9号車トヨタTS050ハイブリッド

 2016年のWEC世界耐久選手権でシリーズ2位となったメンバーでル・マンに挑むこととなった7号車トヨタ。予選では可夢偉がコースレコードタイムを大きく更新する驚異的なタイムを叩き出し、決勝スタート後も10時間にわたってレースをリードした。
 
 しかし18日(日)の1時15分、セーフティカーラン中にクラッチトラブルが発生。リスタート後もレースペースに戻すことができないばかりか、コース上でマシンが止まってしまい、リタイアとなった。
 
 7号車のリタイア後、ニコラス・ラピエール、国本雄資、ホセ・マリア・ロペスの9号車トヨタもアクシデントによりレースを終えることとなった。
 
 ラピエールがドライブする9号車トヨタは、コース前半のフォードシケインで後方から来たLMP2マシンに追突され、左リヤタイヤがパンク。その後、ピットに戻る際に壊れたタイヤがマシンの油圧系統にダメージを与えたことでシフトチェンジが不可能となってしまった。
 
 ラピエールはピットまで残り僅かのところまでたどり着いたが、ガレージに戻ることは叶わず1時35分にマシンを降りている。
 
 トップを走る7号車トヨタに次ぐ2番手で走行していた8号車トヨタは、スタートから8時間を迎える直前、フロントMGUにトラブルが発生。チームはMGUとバッテリーの交換を余儀なくされた。
 
 マシンの修復作業は約2時間に及んだが、コースに戻った中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン、そしてチームは決して諦めることはなく、ファステストタイムを出しながら懸命の追い上げをみせ、コース復帰直後の総合54番手から最終的に総合9位まで挽回してチェッカーを受けた。

「昨年の敗戦以来、関係者で全力を尽くして準備を行い、再度トップを争える車両をル・マンに持ち込みましたが、結果はとても厳しいものとなってしまいました」と語るのは佐藤俊男チーム代表。

「ファンの皆様には多くの暖かい応援を頂きましたが、我々は優勝トロフィーを持ち帰ることができませんでした。今回深夜に起こしてしまったダブルリタイアは当然受け入れられないものだと思います」

「同じことを繰り返さない取り組みをして参ります。そして、必ずもっと強くなり、さらに強い決心のもと、再びル・マンに挑戦したいと思います」

 マシントラブル大きく順位を下げることとなった一貴も「本当に言葉がありません。ただひとつ言えるのは、来年も挑戦しなくてはならないということです」と2018年のル・マン再挑戦に向けた決意を語った。
 
「僕たちには速いマシンがありましたが、まだ、何かが足りなかったということでしょうか。ハードワークで準備して来たにもかかわらず、予想外のさまざまなアクシデントに見舞われました。来年はさらに充分な準備をして、よりハードに戦わなくてはなりません」

 自身のスティントでトラブルに見舞われた可夢偉も「またしても、僕たちはル・マンで勝つことがどれだけ難しいかを思い知らされました。再度勝利を争うべく、必ず戻って来ます」とコメント。リタイアの原因となったクラッチトラブルについては次のように語った。

「僕たちのレースになると思っていただけに、本当に残念です。セーフティカー導入の間にピットインを行い、ピット作業の後、マーシャルからコースへ出てよいと指示されたので発進しました」

「その時、後方からセーフティカーがやって来たので、停止しろとの指示を受け、セーフティカーの後ろにつくために、クラッチを使ってエンジンパワーで、再スタートをしようとしたのですが、通常は行わない操作だったため、クラッチが壊れてしまいました」

「もしピットレーンに留まっていれば、TS050ハイブリッドはモーターのみを使ってスタートをするのですが、既にピットから出ていたため、その操作ができませんでした」

 ル・マンデビューを果たした国本は「僕にとって初めてのル・マン24時間は残念なレースに終わりました」とレースを振り返った。
 
「初めての経験を楽しみ、トラブルに見舞われるまでは納得いく走りを見せられたと思います。9号車トヨタが止まっているのを見たとき、ここまで仕上げてくれたチームスタッフのハードワークを見ていただけに、本当に落胆しました」

「彼らのためにも良い結果を持ち帰りたかったのですが、厳しい結果となってしまいました。またル・マンに戻って来て、必ず雪辱を果たしたいと思っています」

 チームは車両が返還され次第、直ちに7号車トヨタと9号車トヨタのトラブルとアクシデントの詳細な原因究明作業を行う。また、次の目標であるWECの年間タイトル獲得に向け、7月14~16日に行われるWEC第4戦ニュルブルクリンク6時間レースの準備を開始する。

[オートスポーツweb ]