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トミヨの長期調査開始 生息域半減の安産川で白山市

6/19(月) 1:33配信

北國新聞社

 白山市は18日、美川地区を流れる安産(やすまる)川に生息し、県の希少野生動植物種に指定されている淡水魚「トミヨ」の長期調査を開始した。白山の伏流水を主な水源とする安産川は手取川上流域で2年前に起きた斜面崩落以降、水量が低下し、トミヨの生息域が半減した。市は定点観測場所を3カ所設け、地元有志でつくる「美川自然人クラブ」とともに川やトミヨのデータを収集し、保全対策に生かす。

 調査は6月中旬と10月中旬の年2回行い、トミヨの個体数、体長、川の水深、水温などを調べる。箒島(ほうきじま)橋、親水公園、菊苗(きくなえ)橋のそれぞれ近くで最低でも3年、観測を継続する。クラブのメンバーが2人一組で、手持ちの「さで網」を使い、決まった方法でトミヨを採集する。

 18日は、昨年から安産川のトミヨを研究している県立大の一恩英二教授も調査に参加し、メンバーに捕獲方法を教えた。メンバーと一恩教授ら13人が、箒島橋で3匹、親水公園で1匹、菊苗橋で2匹の計6匹を採集した。いずれも今年生まれた個体で、体長は3・2~4・0センチだった。

 3地点の水温は、生息に適した20度以下を保っていた。斜面崩落後に低下した水量については、メンバーから「まだ回復していない」との意見が目立った。

 市と同クラブ、県、県立大などは今後、毎年11月ごろに合同の連絡会を開き、収集したデータを参考に保全対策を考える。川の水量激減など緊急時にトミヨを逃がす「避難所」の設置も検討する。

 藤木克彦理事長は「水量がまたいつ低下するか分からない。最悪の場合、トミヨが絶滅する可能性があり、しっかりと調べたい」と話した。一恩教授は「地域住民に川の現状を伝えていくことが大切だ」と調査への意欲を語った。

北國新聞社

最終更新:6/19(月) 1:33
北國新聞社