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米駆逐艦衝突、航行任務の実態は 元海軍将校が解説

6/19(月) 17:43配信

CNN.co.jp

(CNN) 米海軍のイージス駆逐艦フィッツジェラルドが伊豆半島沖でコンテナ船と衝突し、乗組員7人が死亡した事故。事故原因の捜査が実施されようとする中、海軍の艦船が通常どのように任務を遂行しているのかについての疑問も浮上している。

CNNの安全保障の専門家で、米海軍の元将校でもあるジョン・カービー氏に話を聞いた。

海軍艦船はどのように航行しているか

乗組員はレーダー装置や全地球測位システム( GPS)、目視による確認を通じて絶えず情報を入手し、針路の特定、気象状況の把握、他の船舶の監視などを行う。送られてくる信号にどの程度の注意を払うかは、置かれた状況により異なるとカービー氏は語る。

艦船の位置や動きはリアルタイム画像として艦内の電子海図表示情報システムに表示され、担当の乗組員がこれを分析する。

艦船を操縦しているのはだれか

ブリッジには24時間、乗組員が配置される。通常時の監視チームの人数は6~10人で、当直将校の下で航行の安全に関する責任を負う。

ブリッジの下に位置する戦闘指揮所(CIC)では、レーダーのオペレーターが周辺の船舶を監視。電子表示される航行データの分析もここで行う。

船の外側では複数の見張りが前方や後方、ブリッジ近くに配備される。ブリッジの監視チームは常に双眼鏡で水平線を調べ、レーダーが見落とした小さな漁船などがいないか確認する。乗組員は皆、複数のタイプの無線で連絡を取り合っている。

司令部からはどのような支援を受けるのか

上位の司令部は当該艦船の航行や位置、周辺海域の状況について把握している。しかし一度艦船に命令が下れば、航行任務は艦長の判断の下で自律的に遂行されることが多い。カービー氏によると艦長は艦内における「唯一の権威」として頻繁にブリッジに姿を見せるという。「他の船舶が自船と乗組員の安全に対し直接的な脅威となった場合は、武器を使ってこれを防衛するすべての権限を与えられている」(同氏)

コンテナ船との衝突時、駆逐艦フィッツジェラルドの艦長はブリッジではなく士官室にいた。出入港の際や周囲に多くの船舶がいるなど航行に危険が伴う状況なら、艦長はブリッジにいたはずだとカービー氏は指摘する。

艦船と船舶の衝突は頻繁に起こるのか

カービー氏は、米海軍が艦船と乗組員の安全を何よりも重要視していると強調。「ときに衝突が起こることは事実だが、極めてまれだ。米海軍は安全と警戒について信じがたいほどの真剣さで取り組んでいる。実際に起きてしまった際の代償があまりにも大きいからだ」と述べた。

船舶が艦船を狙って故意に突っ込んできた場合、艦長は艦船の針路や速度を変えたり、威嚇射撃を行ったりして対応する。ただフィッツジェラルドの衝突については、このケースに当てはまらないのではないかとカービー氏はみている。

どうすれば今回の事故を防げたのか

カービー氏は結論を出すには時期尚早とした上で、衝突前後の無線通信の使用状況が厳密な捜査の対象になるだろうとの見解を示した。いずれにせよ「米海軍が徹底した捜査を行い、結果を海軍兵学校での訓練に反映させるなどして再発防止に取り組む」ことは確実だと語った。

最終更新:6/19(月) 17:43
CNN.co.jp