ここから本文です

<森友学園>ついに強制捜査 前理事長妻「いじめないで」

6/20(火) 0:07配信

毎日新聞

 ◇籠池氏自宅に家宅捜索 長男「どうして捜索に入るのか」

 小学校用地として大阪府豊中市の国有地を格安で取得した問題の発覚から約4カ月。大阪地検特捜部は19日、大阪市の学校法人「森友学園」への強制捜査に着手した。安倍晋三首相の妻昭恵氏が小学校の名誉校長に名を連ねたことから、国有地取得でも有利に事が進んだのではないかと、国会論戦の焦点になった学園。補助金の不正受給疑惑は刑事事件に発展したが、国有地売却問題に関する捜査は進むのか。関係者は事態を注視している。

 大阪地検特捜部の係官が森友学園の拠点、塚本幼稚園(大阪市淀川区)に到着したのは午後7時前。係官がインターホンを押したが応答がない。係官は携帯電話で誰かと話し始めた。「開けてください」。しばらくして園内から籠池泰典前理事長の長女で学園の現理事長、町浪(ちなみ)氏が姿を見せた。

 険しい表情で無言のまま入り口を開ける町浪氏。園児が帰宅して静まり返った園内に、家宅捜索のため、折りたたんだ段ボール箱を持った係官ら十数人が入っていった。

 豊中市の籠池氏の自宅に地検係官が家宅捜索に入ったのは午後9時前。籠池氏も在宅しているようだ。そのさなか、籠池氏の妻が2階の窓から顔を出し、声を張り上げた。「安倍首相、お父さんをいじめないで。詐欺なんかしていません」。長男は「どうして捜索に入るのか」と憤り、門前に詰めかけた報道陣を自宅に招き入れようとする一幕もあった。

 学園系列の「高等森友学園保育園」にも、午後7時過ぎに地検係官3人が到着したが、園関係者とみられる男性が玄関の鍵を開けるまで、2時間ほど待機を余儀なくされた。関係先の捜索は日付が変わっても続いた。

 信頼していた幼稚園や保育園が家宅捜索を受ける異例の展開に、保護者は憤りを募らせる。塚本幼稚園の前PTA会長、図越寛さん(36)は「娘の診断書を悪用され、補助金の詐取に利用された。教育機関として失格」と切り捨て、幼稚園を休園すべきだと促した。

 以前、子供を園に通わせていた40代の女性も「籠池ファミリーはもう二度と教育現場に関わるべきではない」と手厳しい。さらに「問題を放置してきた大阪府も責任を感じてほしい」と指摘した。

 その大阪府。松井一郎知事は19日夜、大阪市内で記者団に「不正受給の原因を突き止めてもらいたい。不正受給ができない仕組みを考えないといけない」と述べた。

 多くの人が不信を抱くのは国有地売却の問題だ。国有財産を管理する財務省の近畿財務局はなぜ、学園に有利に事を進めたのか。国有地を不当に安く売却したとして、近畿財務局職員を背任容疑で告発した豊中市の木村真市議は「問題は国有地の値引きと不適切な小学校認可の経緯だ。違法行為があれば捜査するのは当然だが、籠池氏をスケープゴートにするだけではなく、大阪地検は背任容疑で捜査を継続し、疑惑を解明してほしい」と訴えた。【芝村侑美、千脇康平、池田知広】

最終更新:6/20(火) 1:34
毎日新聞