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大洗研事故 5人の内部被ばく確定 尿からプルトニウム

6/20(火) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター(大洗町成田町)の被ばく事故で、量子科学技術研究開発機構は19日、作業員5人の尿から微量の放射性物質のプルトニウムとアメリシウムを検出したと発表した。体内に取り込んだ後に排出したことを示す結果で、5人の内部被ばくは確定的となった。一方、原子力機構の児玉敏雄理事長は同日、事故後初めて県庁に橋本昌知事を訪ねて謝罪し、「作業に潜むリスクへの感度が悪かった」と述べた。機構は原子炉等規制法に基づく法令報告したものの、事故原因については「調査中」としており、児玉理事長は1カ月を目安に推定原因を示すとした。

量研機構は作業員5人の尿検査の結果を受け、全員が同機構が運営する放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)へ再入院したと説明した。5人とも体調に異常はない。

放医研は、尿から数値を計測したのは放射性物質の体外排出を促す薬剤の効果があったとして、再び薬剤を投与する。

事故は6日午前11時15分ごろ、同センター燃料研究棟で発生し、点検作業中の5人が被ばく。当初、作業員1人の肺から2万2千ベクレルのプルトニウムが計測され、7日に全員が放医研に入院した。その後、数回の検査でプルトニウムが計測されず、13日に全員が退院。当初の計測値は、体表面に付着していた放射性物質の影響が大きかったとの見方が示された。

一方、児玉理事長の訪問を受け、橋本知事は「事故が度重なっており、どうなっているのかという思い。しっかり原因を究明し、どうすれば事故が起きないか、再発防止策もきちんと示してほしい」とし、さらに風評被害の払拭(ふっしょく)に全力を尽くすよう求めた。

県庁訪問に先立ち都内で会見した児玉理事長は「地元住民や関係自治体の皆さまに不安な思いを与え、おわびする」と改めて謝罪した。現状で事故原因については「機構全体として、危険への感度や危険予知能力に問題があった」とした。

高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の保守管理不備などを反省して取り組んだ組織改革や安全文化醸成に欠陥があるとして、「原因究明を通じて組織や職員の意識の問題にも手を入れていく」と強調した。

法令報告の内容については、これまでの公表内容にとどまり、プルトニウムなど放射性物質の入ったポリエチレン容器を包む二重の樹脂製袋が破裂した原因は「調査中」で、特定作業を継続するとしている。

今後、原子力機構は、破裂原因に加え、内部被ばくに至る経緯や組織のマネジメントを含めた作業手順なども分析する方針。 (高岡健作、戸島大樹)

茨城新聞社