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タマネギを被災した島の光に 応援職員が橋渡し

6/20(火) 10:05配信

河北新報

 東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県塩釜市浦戸諸島・寒風沢島で、同市の農業加藤信助さん(35)がタマネギ栽培に挑戦し、24、25日の催事で初めて一般向けに販売する。名産地の兵庫県淡路島の栽培品種で、同県から市に派遣された職員が橋渡しをした。潮風のミネラルを含んだ「島そだち野菜」としてブランド化を目指し、長ネギやイチジクなども手掛ける予定だ。

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 加藤さんは市内の自宅から船で寒風沢島にある自分の畑に通う。15日、約10アールの畑で約1トンのタマネギを収穫した。聴講生として学んだ県農業大学校(名取市)の畑で種から育苗し、昨年秋、島の畑に植えた。「思ったほど収量は伸びなかった」と言うが、初めての販売に期待感がにじむ。

 淡路島産タマネギの種を用意したのは、塩釜市水産振興課の奥野満也さん(63)。兵庫県南あわじ市を退職後、同県臨時職員として採用され、2014年から塩釜市に派遣されている。淡路島の生産者の助言を得ながら、寒風沢島で加藤さんと試験栽培を続け、本格出荷にたどり着いた。

 島での野菜作付けは船の輸送費がかかるなど条件は良くないが、「潮風のミネラルを含み、甘みが引き立つ」(加藤さん)のを売りにブランド化を目指す。規格を統一し「島そだち寒風沢野菜」のシールを貼って出荷する予定だ。

 加藤さんは塩釜市出身。東京・八丈島のホテルで働き、大震災時は仙台市の電子部品販売店に勤務していた。12~16年、寒風沢島の復興を進めるNPO法人に雇用され、コメの栽培に携わった。寒風沢は父親の出身地で親しみもあった。

 島には約21ヘクタールの水田があるが、震災の津波で浸水。人口減少と高齢化が進み、作付けをやめる住民が相次いでいる。加藤さんは畑を「寒風沢農園」と名付け「島で農業をしている人間がいることを知ってもらいたい」とアピールする。耕作していない水田の活用を視野に入れ、ニンジン、サツマイモ、カボチャの栽培も手掛ける考えだ。

 タマネギは24、25の両日、塩釜市のマリンゲート塩釜で開かれる「夏野菜マルシェ」で販売する。午前10時~午後3時。

最終更新:6/20(火) 17:41
河北新報

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