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水谷豊、40年分の思い詰まった初監督作品「TAP-THE LAST SHOW-」

6/20(火) 16:56配信

夕刊フジ

 大ヒットドラマシリーズ「相棒」で全国津々浦々にその名が知られている俳優、水谷豊(64)。メガホンを取った初監督作品「TAP-THE LAST SHOW-」が17日に初日を迎えた。

 宣伝チラシには「各誌、絶賛の声!」としてキネマ旬報やSCREEN編集長らが称賛コメントを送る。「あくまでも付き合いや仕事でしょうが、コメントを断るほど気に入らないというわけでもないのでしょうね」と映画宣伝会社スタッフがちくりと刺す。

 映画評論家が断じる。

 「俳優としてのキャリアに甘んじていないところは評価のポイント。作品に水谷さんの思いが詰まっていることは分かります。初監督作品で名作を撮ることは難しい。水谷さんの発言を聞くと、この作品をどうしても撮りたかったという感じですから、今後、映画監督の世界に打って出るのかは分かりませんね」

 水谷がタップダンスの映画を撮りたいと発案したのは40年ほど前だ。

 「いろんなプロデューサーや映画会社の幹部に構想を伝えていましたが、いつもはぐらかされてきたそうです。それだけ映画として客を動員できるかが見えにくい題材」と映画サイト記者。「映画の『相棒』シリーズで利益をもたらしている水谷さんの希望を周囲が忖度して実現したのでは」と苦笑いで続けた。

 水谷が演じるのは、事故で足を痛め踊れなくなった老天才タップダンサー。岸部一徳演じる旧知の劇場支配人が、劇場を閉館するため「ラストショー」を演出してほしいということから物語は動く。ダメになったかつての天才タップダンサーは酒浸り、オーディションで選ばれたダンサーはいがみ合い、家族に反対されている良家の女性ダンサーは病気を抱え、銀行は資金援助から手を引くという具合に障壁が立ちはだかる。

 前出・映画評論家の話。「40年前に発案したときは新鮮だった設定も、かつてのスターが若手を使って再び輝きを取り戻す話はその後、たくさん生み出されてきた。材料の鮮度が失われている。しかしこれだけのステレオタイプを1本の作品にまとめたことは水谷監督の力量。回想シーンはテレビ的な編集で鼻白みましたが、その後のタップシーンは圧巻でした」

 公開後は、観客が断を下す。

最終更新:6/20(火) 16:56
夕刊フジ