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<ひとめぼれ>「特A」奪還へ 宮城県、一丸

6/20(火) 8:59配信

毎日新聞

 日本穀物検定協会実施の食味ランキングで、宮城県内で昨年生産された主力米「ひとめぼれ」が「特A」から「A」評価に格下げとなった。生産開始から20年以上守り続けてきた特Aから「陥落」した。産地間で新品種の開発が活発となり、競争が激しさを増す中、県などは「このままでは埋没してしまう」と危機感を募らせている。県は、生育状況に応じた適切な管理の徹底を生産者に呼びかけるなど、特A奪還と県産米全体のレベルアップに向けた対策に乗り出した。【川口裕之】

 ひとめぼれは県古川農業試験場で開発され、1991年に作付けが始まった。食感や香りがよく、冷害にも強いことなどから作付けが広がり、昨年度の県内の作付面積の75%を占める主要銘柄。全国でもコシヒカリに次いで2番目に多く作られている。

 県産ひとめぼれは92年以降、冷害で評価の対象から外れた93年と2003年を除いて特Aを続けていた。同協会は昨年産のひとめぼれが格下げとなった理由について、柔らかすぎることや玄米水分が低いことなどを挙げた。

 県や農業団体でつくる「宮城県米づくり推進本部」は4月28日、ひとめぼれの特A奪還と、県産米のレベルアップに向けて「宮城米“食味レベルアップ”対策会議」を開催。そのなかで、出穂後から刈り取りまでの積算気温が目安より300度も超えている点や、根に活力を与えるための中干しの時期が遅れ気味などの課題が挙がり、生育状況に応じた追肥や水管理、刈り取りなどを徹底するよう呼びかけた。同本部は現地指導者向けの研修会を開催するほか、7月に一般生産者向けにも開催し、レベルアップ対策の周知を図る。

 東北各県は、ブランド米を目指して新品種の開発と生産に力を入れている。青森県産米の「青天の霹靂(へきれき)」は一昨年秋に本格デビューし、人気を集めている。また岩手県は今年から「金色の風」、山形県は来年から「雪若丸」の販売を始めるなど、産地間の競争は激化している。県もこうした動きに対抗し、古川農業試験場で開発された新品種「だて正夢」を18年秋に本格デビューさせる予定だ。また大消費地の首都圏への普及や販路拡大も目指す。

 県農産園芸環境課の薄木茂樹技術副参事は「基本に立ち返ってひとめぼれの特A奪還を目指しながら、宮城米のブランド力向上と競争力強化を図りたい」としている。

最終更新:6/20(火) 9:37
毎日新聞