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ゆうちょ銀行とかんぽ生命の新規事業、金融庁と総務省が認可

6/20(火) 17:30配信

ZUU online

ゆうちょ銀行 <7182> とかんぽ生命 <7181> が申請していた新規事業について、金融庁と総務省が認可すると発表した。ゆうちょ銀行は口座保有者向けの無担保融資等、かんぽ生命は終身保険や定期年金保険の見直し等の事業が行えるようになる。郵政民営化の明確なゴールが示されていない中での事業拡大は、民業圧迫であるとの反発も多い。

■ゆうちょ銀行は個人向け無担保融資、かんぽ生命は終身保険見直し

郵政民営化法に基づき、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の新規業務参入に際しては、事前に金融庁と総務省へ認可申請を行う必要がある。政府関与の強い両社と他の金融機関との間の適切な競争環境が確保されている事を確認する為である。郵政民営化委員会の意見表明を経て、金融庁と総務省の認可が下りれば、参入できる。

今回、ゆうちょ銀行が申請したのは、「口座貸繰サービス」と呼ばれる個人向け無担保融資業務である。口座残高がゼロになっても、限度額までは代金引き落としや現金引き出しが行えるものであり、事前審査を行えば利用可能となる。また、資産運用の幅を広げる為、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などの市場運用業務の申請も行っていた。

かんぽ生命が申請したのは、終身保険や定期年金保険の見直しである。保険の設計に柔軟性を持たせる事で、顧客ニーズに沿った商品を提供する事が狙いとなる。

ゆうちょ銀行、かんぽ生命共に3月31日に金融庁、総務省へ新規業務の認可申請を行った。郵政民営化委員会は6月14日の会合で「問題ない」との意見表明を行っており、金融庁、総務省の認可が下りた事により、新規事業参入の目処が付いた事となる。尚、ゆうちょ銀行は新規事業にあたって、銀行法に基づく承認を金融庁から得る必要があり、体制の整備を進める。ゆうちょ銀行は2019年にも新規事業を始める計画である。かんぽ生命については、10月からの新規事業開始を目指す。

■完全民営化の具体像は未だ示されず

ゆうちょ銀行やかんぽ生命の新規事業参入が認可制となっているのは、政府関与が強く残っている為である。2015年に上場を果たした両社であるが、ゆうちょ銀行株の74%、かんぽ生命株の89%は日本郵政 <6178> が保有しており、その日本郵政株の80%強は政府保有となっている。実質的な政府関与が行われている状況での新規事業参入は民業圧迫になるとの批判は多く上がっている。

今回のケースでも、郵政民営化委員会は新規事業参入についての意見公募を行ったが、全国銀行協会や全国信用金庫協会等から民業圧迫とならないよう慎重な審議を求める声が相次いだ。また、新規事業参入の前提として完全民営化への道筋を示す事が重要であるとの意見も各団体から出ている。完全民営化にはまだ複数回の売出しが必要となるが、具体的な時期は示されていない。できる限り早急にと謳った郵政民営化の筋書きは宙に浮いたままとなっている。

更に、かんぽ生命の新規事業参入については、生命保険協会は到底容認できないとの意見を表明していた。2012年に学資保険改定の認可を与えた後、同社の学資保険のシェアが急増した事を例に挙げ、市場の競争環境を歪めるものだと批判する。改定前の2013年度は31.6%だったシェアが改定後の2015年度には57.1%にまで上昇したとしている。

ゆうちょ銀行は2012年に住宅ローンや企業融資業務への参入を申請したが、認可が得られずに断念している。同行の社内体制が不十分である事が理由だとされるが、この申請時の意見公募では各業界団体から参入への非常に厳しい反対の言葉が並んだ。同行の新規事業参入は2008年のクレジットカードや住宅ローン仲介業務以来となる。

厳しい声も多い中、今回の新規事業参入は認可された。今回の新規事業は市場の公正な競争を阻害しないものであると判断された事となる。しかし、もう一歩踏み込んだ事業への参入は厳しい目が向けられると見られる。完全民営化の道を示さなければ、新規事業への参入もままならないが、一方で完全民営化の為には、収益力の向上が欠かせないといったジレンマに陥る。上場して一息ついている暇はなく、早急に将来像を描かなければならない。(ZUU online編集部)

最終更新:6/22(木) 10:55
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1401円、前日比-7円 - 10/20(金) 15:00

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