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高精度の裏面照射型ToF方式距離画像センサーを開発

6/20(火) 8:10配信

MONOist

 ソニーは2017年6月5日、10μm角画素の裏面照射型ToF(Time of Flight)方式距離画像センサーを開発したと発表した。2015年に買収したSoftkinetic SystemsのToF方式センサー技術と、ソニーの裏面照射型CMOSイメージセンサーの技術を融合したもので、10μm角画素は裏面照射型ToF方式距離画像センサーでは業界最小だという。

【距離の誤差が同等時の測定距離の比較】

 ToF方式では、光源の光が対象物で反射し、センサーに届くまでの時間差を検出することで対象物までの距離を測定する。Softkinetic Systemsは、このToF方式で高精度な測距を可能にする画素技術「CAPD(Current Assisted Photonic Demodulator)」を保有している。

 CAPDは、位相の異なる信号を複数回読み出し、その信号の比率を出力することで距離に換算する方式を採用。同方式で精度を向上するには、反射光信号の利用効率の向上や複数の位相の信号を正確に読み出すことが必要になる。CAPDは電位勾配(電子転送のための斜面)を動的に作り、画素内ドリフト電流(空乏層を形成せず、2極間電位差で発生する電流)で高速転送することで、より正確な位相差信号を取得できる。

 またToF方式は、画素内に複数の読み出し回路を配置する。このため、表面照射型CMOSイメージセンサーでは、受光部上の多くのトランジスタや配線が反射光を妨げ、測距精度が落ちる原因となる。今回ソニーは、裏面照射型CMOSイメージセンサーの画素技術を組み合わせ、画素の有効開口率(チップに対する受光部の割合)を向上。裏面照射型の10μm角画素において、表面照射型の15μm角画素と同等の集光効率を達成した。センサーの小型化を図りながら、より高精度な測距を可能にしている。また、高い集光効率で光源の出力を抑え、センサーモジュールの低消費電力化と小型化にも貢献する。

 さらに、画素構造と画素内配線をToF方式に合わせて最適化することで、測距に必要な位相差の検出がより速くなった。反射光の利用効率を維持したまま駆動周波数を同社従来品比で2倍(100MHz)に上げられるため、同一距離では従来よりも高精度な距離画像が得られる。同じ精度を維持した場合は、同社従来品比で1.5倍の距離までの距離画像が得られるという。

 同社では今後、今回開発したセンサーの応用領域をジェスチャー認識や物体認識、障害物検知などへと広げていく。

最終更新:6/20(火) 8:10
MONOist