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<未利用魚>売れない「厄介者」エイ・サメを食材に 千葉

6/20(火) 9:41配信

毎日新聞

 漁師の網にかかっても市場に出回ることのないエイやサメなど「未利用魚」を食材として活用しようという取り組みが、千葉県いすみ市で進んでいる。未利用魚に目を付けたのは2014年ミシュランガイド一つ星レストラン「ラ フィネス」(東京都港区)のオーナーシェフ、杉本敬三さん(38)。「料理方法一つで、今まで見向きもしなかったものが立派な食材になる。市のPRに生かせる可能性がある」と話している。【吉村建二】

 いすみ市の沖合は、水揚げ日本一で知られるイセエビをはじめ、アワビやタイ、タコなどがとれる豊かな漁場として知られる。一方、1年を通じてエイやサメなどが漁師たちの刺し網やはえ縄などにかかるという。目的外の魚は海に返したり、処分したりするが、量が多いと網が重くなることもあり、「厄介者」扱いされている。

 杉本さんは大原漁港で毎週日曜に開かれている朝市で地元食材による料理を提供し、夏の「イセエビまつり」ではイセエビを使った料理教室を開催。15年にはいすみの魅力を内外に発信する「いすみ大使」を市から委嘱された。そうした中で地元漁師たちの「サメやエイが、イナダやタイ漁の刺し網に入り込んで困っている」との声を耳にし、未利用魚を活用できないか考えるようになったという。

 18日午後。大原漁港近くの水産物加工施設で杉本さんを招いた料理勉強会があり、夷隅東部漁協の漁師や婦人部員、市水産課職員ら計約40人が参加した。「食材」はガンギエイとシュモクザメ。杉本さんは「元は0円。必要な部位以外は捨てる。手間をかけないのがポイント」と解説し、「エイのケッパーソースムニエル」「エイの皮からとっただしを使ったうどん」などをつくった。婦人部員はサメの肉を使ったギョーザやフライの甘酢あんかけに挑戦した。

 杉本さんが手際よくエイをさばく様子に漁師の松本明央さん(45)は「簡単そうでやってみたくなった」。約1時間後に完成した料理を試食した参加者からは「これならいける」との声があがるなど、評判は上々だった。

 市は食をテーマにしたまちづくりを目指しており、担当者は「未利用魚の普及は簡単ではないが『いすみに来れば食べられる』とPRできるようにしたい。そのためには地元料理店の理解と協力が必要」と話す。この日参加した太田洋市長は「地元料理店に頑張ってもらい、市外の人に『食べに行きたい』と思ってもらえるようにしたい」と今後の広がりに期待を寄せた。

最終更新:6/20(火) 9:41
毎日新聞