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<国交省>災害時、通行ルート把握…車のビッグデータ分析

6/20(火) 11:07配信

毎日新聞

 国土交通省はNPO法人と提携し、官民が保有する延べ約570万台の車の通行記録を活用して災害時の道路状況を把握する「災害通行実績データシステム」をつくった。カーナビなどを基にした車の動きから、通行可能な道路を割り出し、救命活動や救援物資の輸送に役立てる。集めたビッグデータを分析し初動対応に当たる警察や消防、自衛隊などに情報提供する方針だ。【酒井祥宏】

 ◇救命、物資輸送に活用

 NPO法人は、高度な道路交通の情報システムづくりに取り組む「ITS Japan」(東京都)。トヨタやホンダ、日産、またカーナビを手がけるパイオニアなどが加盟する。

 国交省道路交通管理課によると、情報提供を想定しているのは、震度6以上(東京23区内は震度5以上)の地震や、大雨・大雪などで大規模な交通障害が発生したケースなどだ。

 国交省には、高速道路で活用されるETC(自動料金収受システム)の「2・0」というバージョンを搭載した車約170万台について、数分単位でサーバーにデータが蓄積される。一方、ITSに加盟するトヨタなど7社は、カーナビなどのある約400万台の走行履歴の把握が可能だ。これらの車の動きから、被災地域の道路事情を約80キロ四方の地図で示すとしている。いずれの情報も、個別の車を特定するデータは含まれていないという。

 システムづくりのきっかけは、東日本大震災(2011年)や熊本地震(16年)だった。東日本大震災では、国や自治体がそれぞれ管理する道路の情報を個別に発信し、発生から12日後に国が情報を集約するまで救援物資の輸送ルートを確保するのに手間取った。また熊本地震は本震が深夜だったため、国が第一報を出すまで約16時間かかった。

 国交省は、ホームページなどで情報を公開することも考えている。ただ、土砂崩れや地滑りなどをより慎重に把握する必要があり、パトロールやドローンを使うなどして目視で確認することも迫られる。同省の担当者は「一般ドライバーにどのように提供できるか、検討を重ねたい」としている。

最終更新:6/20(火) 13:28
毎日新聞