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シャープ、6月29日か30日に東証一部復帰申請。「有機ELテレビは日本パネルで」

6/20(火) 12:26配信

Impress Watch

 シャープは、2017年6月20日午前10時から、大阪府堺市のシャープ本社多目的ホールにおいて、第123期定時株主総会および普通株主による種類株主総会を開催した。

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 総会では、議長を戴正呉社長が務め、進行役を橋本仁宏常務執行役員が務めた。戴社長は、「今日は風邪で少し調子が悪い」としながらも、株式の質問に積極的に回答した。戴社長は、「私は、シャープが黒字化するまで給与はもらわない。そして、東証一部復帰してから社長を辞任する。その後、会長に就任することになるが、それまでに社長になる人を育てる。私は、有言実行の人である」などと述べた。また、東証一部への復帰に向けて、「6月29日あるいは30日に申請する。早めに復帰したい」との考えを明らかにした。

 会場には、798人の株主が出席。前年の1,029人を下回った。総会では、6人が質問。前年の延べ19人から大幅に減った。なお、今回の株主総会では、日本語による質問以外は受け付けず取り扱わないこと、質問は1人1問、発言時間は2分以内、目的事項に関する質問だけを受け付け、それ以外は発言を打ち切ったり、回答しないことがあるなどの制約を設け、それ以外の質問については、同日午後2時から開催する経営説明会で受け付けるとした。

 同社では、早期黒字化に向けた3つの構造改革として、「経営資源の最適化」、「責任ある事業推進体制」、「成果に報いる人事制度の具体化」の具体化に注力。2017年度は、「技術への積極投資」、「グローバルでのブランド強化」、「新規事業の加速」により、反転攻勢に向けた競争力を強化し、当期純利益の黒字化を目指す姿勢を示した。

 株主の質問は、午前10時25分頃から受け付けた。

 シャープの元社員という株主は、「国際社会で生きていくシャープになったことを喜んでいる」とコメント。別の株主は、「戴社長には、会長になっても、日産のカルロス・ゴーン氏のように、一日も長くシャープにいてほしい」とするなど、鴻海傘下でのシャープ復活を評価する声があがった。

 これまでシャープの液晶事業が赤字に陥っていたことに対しては、戴氏社長が回答。「シャープは過去6年に渡って、液晶が大赤字であった。だが、液晶は駄目な事業ではない。昨年9月、東京のある会社とミーティングをしたが、値下げ要求があった。シャープは、その会社との取引で、4年間に1,600億円もの赤字を出している。シャープの社員はがんばっている。だが、赤字なのは経営体制の問題だった。ガバナンスの問題、管理の問題。技術者ばかりであり、詳しくチェックしない。私は、2年から4年で黒字化するとしたが、これを3カ月で黒字化したことからもわかるように、社員の問題ではない」とし、「液晶は、新たな技術を研究開発しないと撤退につながる。また、亀山工場の液晶生産設備は、世界で一番古い設備であり、これを更新しなくてはいけない。シャープの液晶事業は全売上高の約40%を占める。これをやめると、もっと赤字になる。だが、がんばれば、新たな商品を作り、原価率も改善できる」と語った。

 シャープは、有機ELテレビについては、戴社長は、「有機ELの試作は行なっているが、いまは、有機ELパネルはLG電子のものしかなく、供給数が少ない。また、価格が高い。シャープは、日本の有機ELパネルで出したい」などと述べた。

 「RoBoHoN(ロボホン)」の価格が20万円と高価であるとの指摘については、戴社長が回答し、「私が社長に就任して1年目を迎える8月21日に謝恩祭を行ない、感謝価格で提供したい。株主に対しては、15万円で提供したい」と回答。7月上旬には、株主に対して、ロボホンのほか、家電製品などを優待価格で販売する通知を発送することを明らかにした。

 原価率については、「シャープの売り上げ原価率が、パナソニックなどに比べて高いのは、研究開発費が低く、販売管理費が高いのが要因。新製品における売価設定、材料費のコストダウンをしっかりと見据えていくことで、収益をあげていく」と野村副社長が回答。

 今期が無配であることや、かつて社長を務めた町田勝彦氏が、株主総会において、ソニーの株価を抜くと発言したことに対して、野村勝明副社長が、「シャープの時価総額は1兆9,000億円を超えた。声援をもらい時価総額を増やした」と回答。戴社長は、「来年は配当したい」と述べた。

 総会では、第1号議案の定款一部変更の件、第2号議案の株式併合の件、第3号議案の取締役(監査等委員である取締役を除く)6名選任の件、第4合議案の監査等委員である取締役3名選任の件、第5号議案の取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬等の額および内容決定の件、第6号議案の監査等委員である取締役の報酬等の額および内容決定の件、第7号議案のストックオプションとして新株予約件を発行する件については、すべて可決した。定款一部変更では、事業目的の変更・追加として、「食品の販売等およびは金融商品取引」を盛り込み、取締役の報酬の額は、事業年度あたり総額3億円以内とした。

 戴社長は、新たに取締役に選任されたNHK出身の西山博一氏については、「シャープはこれから8Kエコシステムを推進する。その点で取締役になってもらった。シャープに貢献してもらいたい」と発言。また、王建二氏については、「シャープにとっては、液晶は大切な事業である。シャープは、日本国内では強いが、グローバルでは弱い。そこで特別に要請して、ディスプレイ事業をサポートしてもらう。昨年度後半からシャープのディスプレイ事業は黒字であり、これを維持したい。重要な顧客との関係を強化してもらう」と述べた。

 なお、株主召集通知のなかでは、戴社長が、2017年4月に、鴻海精密工業の董事代理人を退任していることも示している。

 株主総会は、1時間7分で終了。昨年および一昨年はいずれも3時間23分と過去最長になったことと比較しても、大幅に短縮した。

AV Watch,大河原 克行

最終更新:6/20(火) 12:52
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