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首相「また盛り返すしかない…」 支持率低下、反省と強気交錯

6/20(火) 7:55配信

産経新聞

 □本社・FNN合同世論調査 

 18日に閉会した通常国会では、天皇陛下の譲位を可能とする特例法やテロ等準備罪を新設する改正組織犯罪処罰法など、喫緊の課題に対処するための重要法案が可決・成立した。ことに譲位特例法に関しては、与野党が最終的に歩み寄って円満成立を目指すなど、国会の良識も垣間見えた。

 ところが、国会論戦を振り返り印象に強く残るのは森友、加計(かけ)の2つの学園をめぐる野党とメディアの不毛なばか騒ぎである。揚げ句、産経新聞とFNNの合同世論調査で内閣支持率が8・5ポイント下落するなど、政治不信は深刻となった。

 「印象操作のような議論に、つい強い口調で反論してしまう。そうした私の姿勢が、政策論争以外の議論を盛り上げてしまった。深く反省している」

 安倍晋三首相は19日の記者会見で、こう自らの対応に反省を示した。ただ、周囲には支持率低下についてこうも語っている。

 「ああいうふうに報道されたらしようがない。スキャンダルでも何でもないことをそう仕立て上げられた」

 加計学園問題をめぐっては、曖昧模糊(もこ)とした「総理のご意向」という文字が記された文書が実在するかどうかの意味不明な議論や報道に、時間が費やされた。獣医師会と文部科学省の抵抗を排し、獣医師不足の地に獣医学部を新設する規制緩和の是非という「本質」は、不思議なほど問われなかった経緯がある。

 加計学園の理事長が安倍首相と友人である「縁」が繰り返しクローズアップされ、金銭疑惑も違法性もないのに「何か怪しい」「どうもけしからん」という雰囲気が醸成されていった。まるで、政治家が官僚に忖度(そんたく)されたら罪になる「被忖度罪」が存在するかのような論陣が張られた。

 確かに、その過程で安倍首相が「私が働きかけて決めているとあれば、責任を取る」と明言したことや、菅義偉官房長官が前川喜平・前文科事務次官について「天下り問題を隠蔽(いんぺい)した文科省の責任者」と反論したことが、高飛車だと火に油を注いだのは否めない。

 疑惑を持たれた官邸側の態度が、木で鼻をくくったようだとの反感を招いたのも事実で、おごりを嗅ぎ取られたのは仕方ないが-。

 「全然何の問題もない。自治体が学校誘致の際に土地を無償提供するなど当たり前で、25例もある」

 安倍首相は問題が火を噴く前の3月上旬、周囲にこう語っていた。当初は、何が問題視されているのか首相自身、意味が分からなかったということだろう。

 19日の記者会見でも、対応が二転三転したことを反省する一方、獣医学部新設に関しては胸を張った。

 「時代のニーズに応える規制改革は、行政をゆがめるものではなく、ゆがんだ行政を正すものだ」

 安倍内閣の支持率は平成25年12月に特定秘密保護法が成立した頃も、今回と同じく10ポイント前後低下したが、やがて回復した。安倍首相は周囲にこう話す。

 「あのときと同様、また盛り返すしかない。ぼちぼちいくしかないね」(阿比留瑠比)

最終更新:6/20(火) 7:55
産経新聞