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森友学園強制捜査 籠池氏、国会閉会のタイミングに「国策捜査」批判も…〝徹夜〟捜索に妻懇願「もう帰って」

6/20(火) 15:06配信

産経新聞

 押収物を入れた段ボールが運び出されたのは、夜も明けきった20日の早朝だった。国や大阪府の補助金を不正受給した疑いがあるとして、大阪地検特捜部の強制捜査を受けた学校法人「森友学園」。前日夜から始まった関係先の家宅捜索は午前6時すぎまで、夜を徹して行われた。籠池(かごいけ)泰典前理事長(64)の自宅前では妻の諄子(じゅんこ)氏が地面にしゃがみ込み、係官に「もう帰って」と懇願する場面も。国会閉会後すぐの着手のタイミングに籠池氏自身も「国策捜査だ」と息巻いた。

 ◆記者を招き入れ

 学園の事務所がある塚本幼稚園(大阪市淀川区)に捜索が入ったのは19日午後7時すぎ。夜通し関係者が出入りし、最終的に搬出された段ボールは約100箱に達した。

 押収資料をトラックの荷台に積み込む係官らの表情にも疲労の色がにじみ、それを取り巻くマスコミの様子を、犬の散歩に出た近所の人が遠巻きに見やった。

 大阪府豊中市の籠池氏の自宅前に集まった報道陣はおよそ50人。午後9時ごろから始まった捜索の間は、地検の係官により敷地内が封鎖された。事前に籠池氏側の了承を得て邸内に入り、捜索開始をハンディーカメラで撮影していた一部の報道関係者もいたが、地検側に外に追いやられた。

 居合わせた籠池氏の長男、佳茂氏は報道陣に「何で入らんの。公権力に立ち向かうのが仕事ちゃうの」と呼びかけ、捜索中の邸宅に記者を招き入れようとしたが、係官に制止された。

 一方、諄子氏は2階の窓を開けて報道陣に手を振り「安倍(晋三)首相、いじめないで」と叫んだかと思えば、玄関から外に出てきて地べたに座り込み、地検関係者に「もう帰ってください」と頭を下げて頼み込んだ。結局、自宅の捜索が終わったのは午前2時すぎだった。

 ◆園児帰宅後着手

 特捜部は当初、国会閉会日の18日(日曜日)に強制捜査に着手する予定だったが、調整がずれ込んだ。幼稚園や保育園が捜査対象となるため、平日の19日は影響を考慮して、園児らが帰宅した夜間からの捜索になったとみられる。

 国会閉会にタイミングを合わせたのは、今回の一連の問題が政治的色合いの強い案件だったことも背景にあったと指摘されている。

 学園をめぐっては、小学校の建設用地として国有地が格安で払い下げられたことが問題に。開校を目指していた小学校の名誉校長に安倍昭恵首相夫人が一時就任するなど政権の関与が焦点になった。「夫人から100万円の寄付を受けた」といった籠池氏の発言を受け、国会で野党が激しく追及した。

 ◆「国策捜査」懸念

 特捜部は3月末以降、籠池氏に対する告発などを受けて捜査を開始したが、検察幹部の中には「口封じのための国策捜査と思われてはいけない」という懸念があり、国会での調査を優先すべきだとの意見もあった。

 法務検察にとって懸案だったテロ等準備罪の審議や、首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園問題も過熱する中、強制捜査に切り替える時期を慎重に見極める必要があった。

 検察OBは「夜通しの捜索は昔もよくあった」としつつも、着手のタイミングについては「国策捜査といわれても仕方がない。告訴を受けてから時間をかけずに着手すべきだった」と話した。

最終更新:6/20(火) 17:05
産経新聞