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<EPA>関税撤廃交渉大詰め チーズと乗用車で難航

6/20(火) 20:48配信

毎日新聞

 政府が7月上旬の大枠合意を目指す欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉が大詰めを迎えている。焦点の関税交渉は一部で進展がみられるが、欧州産チーズや日本製乗用車は双方の主張の隔たりがなお大きく、ギリギリの協議を続けている。

 日本とEUは首席交渉官による本格的な交渉が今週始まり、月内をめどに交渉官レベルでの結論を出したい考えだ。交渉が順調に進めば、主要20カ国・地域(G20)首脳会議直前の7月6日にベルギー・ブリュッセルで安倍晋三首相とトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)らが会談し、大筋合意する予定。安倍首相は19日の記者会見で「21世紀にふさわしい自由で公正なルールを作り上げる作業だ」と述べ、早期の大枠合意に意欲を見せた。

 進展がみられる品目はある。日本が欧州から輸入する農産品では、豚肉、パスタ(スパゲティ、マカロニ)、チョコレートの関税を引き下げる方向だ。フランスやドイツなどの産地を抱えるワインはEUが関税撤廃を強く要求。日本は受け入れる方針だが、撤廃期間を巡り調整が続く。またバターと脱脂粉乳は、低関税輸入枠の新設を検討している。

 難航している品目もある。チーズでは、EUがモッツァレラやカマンベールの関税撤廃を求めているが、日本は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)でこれらのチーズの関税(現行29・8%)を維持した経緯があり、現時点では撤廃に慎重だ。一方、日本は日本製乗用車にかかっている10%の関税を協定発効後5年以内に撤廃するよう求めているが、10年程度とするEUとの溝は埋まっていない。乗用車などの工業品で成果を取りすぎると、チーズなど農産品交渉の関税撤廃で譲歩を迫られる可能性もあり、慎重に協議を進めている。

 EUは日本から輸入する緑茶や日本酒の関税撤廃を検討している。「農産品や食品は譲歩だけでなく、輸出促進など攻めの姿勢も大事だ」(自民党議員)として、EU側の関税削減も引き出したい考えだ。【工藤昭久、片平知宏】

最終更新:6/20(火) 23:10
毎日新聞