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四天王出るか9秒台!男子100メートル、世界切符3枚に挑む 23日・大阪で日本選手権

6/20(火) 15:08配信

産経新聞

 陸上の世界選手権(8月、ロンドン)の代表選考会を兼ねた日本選手権が23日、大阪市東住吉区のヤンマースタジアム長居で開幕する。注目は「日本最速の男」の称号を目指す男子100メートルのレース。最大3枚の“世陸切符”を懸けた争いに加え、日本人初の9秒台が出る可能性もある。既に前売り入場券のうち、最も高いSS席が大会期間の3日間とも完売するなど、例年にない熱気を帯びている。(坂井朝彦)

 ◆多田が旋風

 関心が高まった要因は、東大阪市出身の多田修平(20)=関学大=の躍進。10日の日本学生個人選手権準決勝で、追い風4・5メートルの参考記録ながら、国内レースでは日本人初の9秒台となる9秒94をマークした。追い風は2・0メートルを超えると公認記録とはならない。

 追い風1・9メートルだった決勝は、日本歴代7位の10秒08で優勝。本人も「出ると思っていなかったのでびっくり」と驚く好記録で、昨年のリオデジャネイロ五輪400メートルリレーで銀メダルを獲得した桐生祥秀(よしひで)(21)=東洋大▽山県(やまがた)亮太(25)=セイコーホールディングス▽ケンブリッジ飛鳥(24)=ナイキ-の3強に割って入った。

 既に4人とも世界選手権の参加標準記録である10秒12をクリアしており、ロンドン行きの有資格者だが、日本選手権の結果次第で1人は落選する。日本記録保持者の伊東浩司氏(47)に次ぐ歴代2位の10秒01のタイムを持つ桐生でも、一歩間違えると切符を逃しかねない状況だ。

 ◆決意の大会

 京都・洛南高時代の2013年に10秒01をマークした桐生は9秒台を嘱望されながら足踏みしてきた。今季は海外も転戦し、ローマで開かれた直近の大会は世界の強豪と争って10秒18。微妙なフライング判定に泣いたレースもあったが、積極性は失っていない。

 昨年9月にヤンマースタジアム長居で開かれた全日本実業団対抗選手権で自己ベストの10秒03をマークした山県は右足首に違和感を抱え、日本選手権が久しぶりの大会となる。ただ、10秒03はリオ五輪以降では日本人最速。故障前の3月にはキャンベラでの競技会で10秒06、10秒08と好タイムを出しており、相性の良いトラックで復活を期す。

 連覇を狙うケンブリッジは4人の中で自己ベストが最も遅い10秒10。今月4日の布勢スプリントでは、200メートルが専門の飯塚翔太(25)=ミズノ=に競り負けて10秒12に終わった。腕の振りと足の着地のタイミングに課題を抱えており、「日本選手権までに状態を上げていければ」と挽回を誓う。

 ◆ハイレベル

 2015年に北京で開かれた前回の世界選手権では、9秒台で走らないと決勝に進出できなかった。世界が“進化”する中、伊東氏が10秒00をマークしたのは、1998年アジア大会。それから19年。4人のうち、ケンブリッジ以外の3人が日本歴代10傑に名を連ねる。

 大会を地元に迎える大阪陸上競技協会の関係者は「多田選手が大阪出身ということもあり、注目が高まっているのは間違いない」と話す。かつてないほどの高レベルなレースは23日に予選と準決勝、24日に決勝が行われる。

最終更新:6/20(火) 15:30
産経新聞