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<萩生田氏発言文書>加計開学「総理が期限」 文科省が確認

6/20(火) 22:05配信

毎日新聞

 学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画で、文部科学省は20日、安倍晋三首相側近の萩生田光一官房副長官が昨年10月、文科省に「総理は『平成30(2018)年4月開学』とおしりを切っていた」と手続きを急ぐよう求め、学園の事務局長と同省課長を引き合わせる考えを伝えていたことが記された文書を公表した。昨年11月に獣医学部新設を認める国家戦略特区での規制緩和策が決定する以前から、政府内で首相の友人が理事長を務める学校法人を学部開設の事業者とする前提で調整が進められていた疑いが強まった。

 文書は「10/21萩生田副長官ご発言概要」とのタイトルで、専門教育課の共有フォルダーで発見された。文科省によると、萩生田氏が昨年10月21日、常盤豊高等教育局長と面会した際のやり取りについての記録という。松野博一文科相は20日の記者会見で文書は同課の課長補佐が作成したと認める一方、「副長官の発言でない内容が含まれている」と述べ、文書の内容は不正確だとする見解を示した。

 文書によると、萩生田氏は和泉洋人首相補佐官らと協議した内容を伝え、「補佐官からは、文科省だけが怖(お)じ気づいていると言われた。官邸は絶対やると言っている」と手続きを進めるよう指示したとされる。

 文科省は今回、NHKが19日夜にこの文書について報じたことから存否を調査。同省によると、課長補佐が作成した文書は別の職員が電子メールで3部署の6人に送って共有していたという。15日公表の再調査の対象は、民進党などから示された19文書に限られていた。課長補佐は、局長からの説明内容に他省庁からの周辺情報も加えたといい、「詳細な記憶がない」と話しているという。

 獣医学部の新設は長年認められていなかったが、特区では「広域的に獣医学部が存在しない地域に限り」可能とされた。京都産業大(京都市)も京都府内での開設を希望していたが、大阪府立大が獣医師養成課程を設けており、新設を見送った経緯がある。【伊澤拓也、金森崇之、宮本翔平】

 ◇萩生田氏は否定

 萩生田光一官房副長官は20日、加計学園を巡って萩生田氏が関与したとする文部科学省文書に関し、内容を全否定するコメントを書面で発表した。

 獣医学部の開学期限について「具体的に首相から指示があったとは聞いていないし、私も文科省に指示していない」と否定。文科省から「著しく正確性を欠いたものだとの説明とおわびが私にあった」と明かし、「意図的に外部に流され強い憤りを感じる」と不満をあらわにした。

 萩生田氏は同日夜、東京都内で開かれた自民党都議の集会であいさつし、「行政をゆがめるような仕事はしていないときちんと証明していきたい」と語った。

 萩生田氏は首相側近として知られ、教育行政に詳しい。コメントでは「(文科省などから)私は報告を受ける立場で、私から具体的な指示や調整を行うことはない」と説明。加計学園事務局長を文科省に行かせたとする記述については「事務局長とやりとりしたことはないし、名前も存じ上げない」とした。【野口武則】

 【ことば】加計学園の獣医学部新設計画

 岡山市の学校法人「加計学園」が運営する岡山理科大が、政府の国家戦略特区に指定された愛媛県今治市で獣医学部の2018年4月新設を目指している。大学用地は同市が無償譲渡する。今年1月に学部を設置する事業者に選ばれ、3月から文科省の審議会で新設の可否について審査を受けている。

最終更新:6/20(火) 23:20
毎日新聞