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蓮舫民進党が消滅危機…カギ握る都民ファーストの会 国政政党へ必要な議員5人の名前飛び交う

6/20(火) 10:09配信

産経新聞

 蓮舫民進党が消滅の危機に直面することになりそうだ。カギを握るのは、東京都の小池百合子知事(64)率いる地域政党「都民ファーストの会」。都民ファーストが国政に進出した場合、民進党の存在感が地に落ちるのは確実だ。中央政界では、都民ファーストが国政政党になる場合の「国会議員5人以上」という要件を満たすために、はせ参じる議員の名前が取り沙汰されている。そもそも民進党で次期衆院選に臨むのは自殺行為に等しく、雲散霧消するのは時間の問題といえる。

 ■「執行部はお引き取りを」

 去る5月29日に都内で開かれた民進党の石関貴史衆院議員(45)の政治資金パーティー。石関氏は集まった支持者を前に同党についてこう言い放った。

 「スキャンダルの追及ばかりしている。何をやりたい政党なのか提示できないことが、非常に大きな問題だ。今の執行部にはお引き取りいただいて、真面目に政策を作り、国民に提示できるような政党に執行部から生まれ変わらなければ、支持を回復することはできない!」

 石関氏は蓮舫代表(49)から距離を置く松野頼久元官房副長官(56)が会長の派閥「創新会」の事務局長だ。ただ、蓮舫氏と対立ばかりしていても生産的ではない。そこで創新会は4月中旬の会合にゲストとして蓮舫氏を呼び、講演してもらうことを計画した。ところが、蓮舫氏は日程が合わないことを理由に、出席を拒否した。この出来事は、協調性のなさと器の小ささを印象付けた。

 明確なビジョンを打ち出せず、揚げ句、協調性すら持ち得ない蓮舫氏にもはや代表の資格はない-。石関氏の発言にはそんな思いがにじんだ。

 ■民進は都議選で埋没

 そんな民進党は都議選(23日告示、7月2日投開票)で「自民党対都民ファースト」の構図の中で埋没し、惨敗する可能性は高い。創新会幹部は蓮舫氏を支える執行部の一人、大串博志政調会長(51)に「都議選が終わったらだれかが蓮舫氏に鈴をつけて、自ら辞めさせないとだめだぞ」と忠告したが、大串氏は明確な返事を避け、「ん~」とうなるしかなかった。

 実際、党内では早くも「野田佳彦幹事長が責任をとって辞任することで決まっている」(党関係者)とまことしやかにささやかれている。

 もっとも蓮舫氏が代表を辞任したところで、有力な次期代表候補はほぼ皆無。前原誠司元外相(55)や玉木雄一郎幹事長代理(48)の待望論を耳にすることはほとんどない。ミュージカル「アニー」の初代アニー役を務めたことで知られる山尾志桜里元政調会長(42)の呼び声もなきにしもあらずだが、当選2回とあっては「早すぎる」との声が支配的だ。

 仮に都議選直後に代表を変えたところで、来年秋の実施が本命視される次期衆院選を迎えたときには、新鮮味がうせているのは間違いない。

 ■年末新党の動きあり?

 こうした中、ささやかれているのは、政党交付金目当ての年末駆け込み新党の動きだ。政党交付金の額は1月1日を基準日として算出され、年4回に分けて交付される。

 都民ファーストが年末に国政政党に衣替えしても、決して不思議ではない。当然のことながら、小池氏の支持率が高止まりしていることが大前提だ。既に「国政研究会」を設立しており、同研究会を国政政党の足がかりにしようとしているとの見方は強い。

 国政政党になる場合に必要な「国会議員5人以上」のメンバーとして、取り沙汰されているのは、小池氏の側近で自民党に離党届を提出した若狭勝衆院議員(60)▽離党届を出し除籍された長島昭久元防衛副大臣(55)▽無所属クラブの松沢成文参院議員(59)▽日本維新の会の渡辺喜美副代表(65)▽民進党の柿沢未途元役員室長(46)ーの5人だ。

 これらのうち渡辺氏は6月4日、都内で開かれた党会合で、都議選後は小池氏と連携し東京と大阪の「改革大連合」を作るべきだと訴えた。2月にはBSフジ番組で、平成30年9月の自民党総裁選で安倍晋三首相(62)が3選することを前提に「安倍首相が33年までやって、その後、小池氏が首相になるのは、非常にいいんじゃないでしょうか」と踏み込んでおり、「親小池氏」のスタンスを鮮明にしている。

 ■どうする柿沢氏

 柿沢氏は、民進党に離党届を提出した幸絵(ゆきえ)都議(47)の夫として知られているが、今月7日、妻の離党届提出の責任を取って、役員室長の辞任届を蓮舫氏に提出し、受理された。後日、とある民進党衆院議員にこう漏らしたという。

 「切腹しなきゃいけないなあ…」

 この言葉を耳にしたこの議員は「役員室長を辞任した後の発言だ。切腹とは『離党する』という意味かもしれない」と感じた。 

 幸絵氏は最近、地元・江東区の住民に都議会リポートを配布した。そこには、柿沢氏と仲むつまじい様子がうかがえるツーショットの写真が載っている。民進党は幸絵氏に代わって、大沢昇元都議(52)を追加公認した。果たして柿沢氏は都議選でどちらを支援するのか。柿沢氏の今後の身の振り方を占う試金石になりそうだ。

 ともあれ、民進党の支持率が低迷する中、今後、離党者が相次ぐ可能性は否定できず、都民ファーストが国政政党になった場合、選ばれし者だけが、移籍することになるとみられる。その先に透けて見えるのは、民進党の崩壊だ。もちろん、左派系議員は入党したくても、拒否されるに違いない。

 ■橋下流で国政に影響も

 若狭氏は月刊誌「文芸春秋」6月号に掲載の座談会で「小池さんは国会議員に戻るということはまったく考えていないはずです。都議選の後は国政返り咲き、そして総理を狙うというのは、メディアが煽(あお)っているだけです。総理なんてありえませんよ」と語っている。

 これに対し国際政治学者の三浦瑠麗氏は「でも大阪府知事や大阪市長の立場にありながら、維新の党を結成して国政に影響力を及ぼした橋下徹さんのような手法はありえるんじゃないですか?」との見方を提示した。三浦氏の意見は大いにうなずける。

 民進党の生命線を握ることになりそうな都民ファースト。東京が地盤のある民進党議員は投げやり気味にこう嘆いた。

 「年末にこの政党はなくなりますよ」

(政治部 坂井広志)

最終更新:6/20(火) 10:09
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