ここから本文です

小池知事市場決定・詳報(2)「築地市場の価値と高いブランド力は東京の莫大な資産」

6/20(火) 18:45配信

産経新聞

 《築地市場(東京都中央区)の豊洲市場(江東区)への移転問題で、20日午後3時半から始まった東京都の小池百合子知事の臨時記者会見。会見が始まって7分がたったが、いまだに豊洲をどうするのかという計画は語られていない。逆に、小池氏は築地市場を再開発するという計画については雄弁に語り続けた》

 「もちろん最終的に決定する権限を持つのは都議会ということになりますが、築地を再開発して新たな東京の一大拠点を作るという希望、これがあれば必ずやっていけるもの、実現できるものと考えています」

 《よどみなく語り続けた小池氏は、ここで会見時によく利用するモニターに資料を映しだし、説明を始めた》

 「パワーポイントで若干内容を説明していきます。市場移転の問題に関してまとめてみました。まず豊洲市場の状況と課題を確認しておきます。安全安心の基準については先ほど申しあげたように、これまでの議会の付帯決議、市場長答弁などがありますが、先日私が築地市場の講堂に参って皆さま方に謝ってきたところです。今後も事業者と都民の皆さま方の信頼を得るためには、最大限の努力が必要と痛感しました」

 「次に豊洲市場開場後の健全な経営の計画、これを確保していかなければいけません」

 《モニターには、豊洲市場の状況・課題、と題した2枚の文書が映し出された》

 「これまで都民全体の財産である築地市場を売却して、資金を充当するという考え方がありましたが、一方で豊洲市場についても開場後も赤字がかさむと。先日の市場のあり方戦略本部でも、数字の見通しなどが示されたところです」

 「またキャッシュフロー、赤字は毎年21億円という数字がはじき出されました。そして都民の財産の処分、これから税金をどーんと投入するなどということがあってはなりません」

 《ここまで豊洲市場について語ってきたが小池氏だが、ここで築地市場の課題についてもモニターに映し出して説明し始める》

 「次に築地市場の状況をもう一度おさらいをしておきたいと思います。大変歴史ある築地市場ですので、その結果として老朽化が進んでおり、それから耐震化工事が首都直下型地震にどこまで耐えうるのか、課題があります」

 「そして、仮設建築物など施設の改修も必要だと指摘されています。それから土壌汚染調査、現在も行っていますが、必要な土壌汚染調査が求められると考えられます」

 「築地市場ですが、あり方戦略本部、さらには各関係者からのヒアリングを通じても明確なように、取扱量、取り扱い金額、仲卸業者の数はこの25年間でほぼ半減という状況です。物流がこのところ特に変化が激しく、できるだけ早急な対策が必要だと考えています」

 「築地市場の状況をもう一度改めて見直すと、築地市場の価値、そして高いブランド力は東京都の莫大(ばくだい)な資産だと考えられます。高い知名度、長い歴史、日本で唯一市場がブランドになった希有(けう)な存在といえます。その築地ブランドの核をなすのは仲卸の皆さん。仲卸の方々の目利き力がブランドの、宝の宝の部分かと思います」

 「一方で不動産は一言で言ってロケーションといわれます。東京の中でも築地の位置は何物にも代え難く、さらに市場内外一体とした食のにぎわいがあるからこそ、世界からの観光客も引きつけているという現実があります。それが観光資源としても大きな経済価値を有しています」

 「そこで都としても、築地ブランドを維持・活用、発展させるということで、新しい戦略を展開すべきと考えています。その上で透明性の高い制度の運用改善も必要だと考えています」

 《豊洲市場の課題に比べ、築地市場の課題に関する説明は少ない。続いて、小池氏がモニターに映し出したのは、3つの基本方針だった》

 「これらをベースにして、基本的な方針ですがが、『築地は守る、豊洲を活かす』ということを基本方針の1とさせていただきます。『築地の後は築地』とも言えます」

 「築地市場が長年培ったブランド力、そして地域との調和を生かして、改めて活用することがこの大切な宝を生かす方法ではないでしょうか。一方で豊洲市場の問題ですが、地下空間の追加対策については、先日の専門家会議でもご示唆がありました。また、地下水管理システムという点も、先だっての専門家会議で指摘がありました。これら安全対策を講じた上で、豊洲市場を生かすべきではないかと考えます」

 《続いて小池氏が示したのは、方針2と方針3だ》

 「豊洲市場の冷凍冷蔵加工などの機能を一層強化して、ITを活用するユビキタス社会の総合物流拠点となる、中央卸売市場になると考えます」

 「方針の3番目は改めて事業者と都民の皆さまの信頼回復に徹底的に取り組んでいきます。これらの基本的な方針を基に、早急に具体的な方策を詰めていくように事務方に指示した」

 《いよいよ具体的な方針の説明が始まる。小池氏の表情は硬いまま。資料を説明するだけの難しい言葉が続く》

 「次に方針の1の意味ですが、さきほどから繰り返して申し上げているように、伝統と核心が交錯する場所へと発展することができる、自立的な経営を目指します」

 「アルファベットでTSUKIJIは、2020年以降も重要な拠点になります」

 《次に示された資料には『築地再開発のために豊洲に移転する理由』と書かれている》

 「移転する理由ですが、プロジェクトチームで築地再整備案を出していました。耐震化への対応は急務です。市場取り巻く環境、仲卸の経営状況も厳しいものがあります。現地再整備案、営業しながら改善するのは現実的には厳しいので、築地の土地を有効活用して採算性を向上させていきます」

 《次に『築地市場の進化』と題された文書を示し、小池氏は新たな築地の姿を説明していく。築地のノウハウとブランドを生かした消費者向け新事業を始め、一大観光拠点として発展していく、と書かれているが、具体的な案は語られないまま、会見はただ、小池氏がしゃべるだけの形で進んでいく》

=(3)に続く

最終更新:6/20(火) 18:45
産経新聞