ここから本文です

日本の農村は学びや 教育旅行 地方誘致に有望 海外も注目

6/20(火) 7:01配信

日本農業新聞

 海外の学生が日本を訪れ、国内の学生と交流したり、日本の文化を学んだりする教育旅行の受け入れ数が増えている。都市部の訪問と違い、日本らしい暮らしぶりを体験できる農村での滞在を望む声も多く、農村部では受け入れ体制の整備を進めている。2020年の東京五輪・パラリンピックも見越し、今後増加が見込まれる個人旅行客の誘致につなげる構想も描く。

体験 交流 主役は住民 京都府南丹市

 かやぶき民家や棚田など、日本の原風景が色濃く残る京都府南丹市の美山町。京都市の中心部から車で約1時間半という立地だが、年間数百人の教育旅行生が訪れる。

 都市農村交流に取り組む民間団体、京都丹波・食と森の交流協議会などが中心となり、海外の旅行会社へのPRや受け入れマニュアルの作成、地域住民への呼び掛けなどを行ってきた。食事のアレルギー対応の講習会や、受け入れ前の説明会など準備も整える。

 学生らは、農作業や伝統文化などの体験と交流を通じて日本の暮らしを学ぶ。農家民宿を営む倉内裕さん(65)は「過疎化が進む地域に活気も生まれた」と実感する。

 今後、海外からの個人旅行客の誘致にも取り組んでいく。16年には地域の事業者らが主体となり、観光戦略を練る観光庁の「日本版DMO候補法人」の登録を受けた南丹市美山観光まちづくり協会を設立。農村体験ツアーなどをパッケージで売り込む構想を練る。

 同協会の高御堂厚事務局長は「地域住民の間で海外の人を受け入れる意識が生まれており、観光客の誘致にもプラスになる」と強調する。

名所がなくても・・・ 和歌山県印南町

 和歌山県印南町では、農家を中心に約50戸で組織する農家民泊グループ「いなみかえるの宿」を核に、町教育旅行誘致協議会が事務局機能を担い、16年度までに900人以上を受け入れた。

 観光地ではない同町だが、巨大なカエルの顔が特徴の橋や夕暮れ時の海辺の景色など、もともと地域にある資源を生かす。日本語を話せない学生との会話は、タブレット端末で翻訳機能のあるアプリを使うなどして対応する。教育旅行をきっかけに、家族を連れて再訪する学生もいるという。

 ミカン1・5ヘクタール、梅50アールを栽培する農家で、いなみかえるの宿の庄田登紀美会長は「農業だけでは出会うことのできない人と出会える。受け入れを通じて、町全体のつながりも生まれた」と話す。

1/2ページ

最終更新:6/20(火) 7:01
日本農業新聞

Yahoo!ニュースからのお知らせ