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埼玉から世界王者誕生 ベンチプレス選手権、福田さん世界新で優勝

6/20(火) 1:14配信

埼玉新聞

 埼玉県から世界チャンピオンが誕生した。東松山市の福田将志さん(33)が5月にリトアニアで行われた世界ベンチプレス選手権66キロ級を世界新記録で優勝した。市内で生まれ育ち、県立滑川高校(現滑川総合高校)を卒業して東松山市内でジムを経営する福田さん。埼玉が生んだ世界王者だ。

 「また優勝したいし、勝ち続けられるようにしたい。もっと強くなりたい」。喜びは控えめに淡々と先を見据える。平常心を大切に試合に臨んできた福田さんらしい感想だ。打ち立てた記録は248キロ。241キロの前世界記録保持者で、今回は235キロで2位となったロシアの選手を破っての快挙だった。
 
■自然体

 高校では野球部で捕手。スポーツトレーナーになる専門学校を卒業後、ジムの運営などを請け負う会社に入った20歳の頃、競技を始めた。2010年に全日本ベンチプレス選手権75キロ級を制し、代表として世界の舞台を踏んだ。

 ところが、翌年の同選手権で左腕を骨折。復帰しても恐怖心などから本領を発揮できず、階級を変えるなどくすぶる日々が続いた。それでも「その時その時の全力を出してきた」。骨はやられても心は折れなかった。

 今年3月、選手権を245キロの日本新記録で優勝し、日本代表に返り咲いた。模索した腕に負担の少ないフォームを身に付けた結果だった。「腕にもう不安はない。周りがどうこうではなく練習したことが出せれば」と、今回の世界大会には良いコンディションと大事にする自然体で挑んだ。

■支え

 王者誕生の裏には環境の充実や周りの支えもあった。自らのジムを持ったことで練習時間が確保しやすくなった。会員への指導が自分にも有効かもしれないと気付かされたことも。会員が審判員となり、試合と同じような雰囲気の練習を積めた。

 「我慢できずにチョコを食べても、せっかく食べたのに欲している味じゃないと出した」。階級のある競技には減量苦がある。妻の美奈さんは食事に気を使い、調子などについて触れることはほとんどなかった。「理解があって本当に自由にやらせてくれた」と感謝する福田さん。ただ「戻っても『おめでとう』くらいしか言われてない」と笑う。

 ベンチプレスは40、50代にピークが訪れる選手もいる競技。「やり方しだいでまだ伸びる。完成形はない」「勝てるための練習をする。練習が大事、やることは変わらない」。疲れを取る期間ながらも、気持ちは連覇へ向かっている。

最終更新:6/20(火) 1:14
埼玉新聞