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「統合で50店削減 400~500人捻出」 十八銀行頭取・森拓二郎氏

6/20(火) 10:32配信

長崎新聞

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)との経営統合を目指す十八銀行(長崎市)。森拓二郎頭取は19日、本紙の単独インタビューに応じ、FFG傘下の親和銀行(佐世保市)との合併で、立地が重複する約50店を削減し400~500人の人員を捻出できると強調。離島・郡部を含む県内店舗網は維持し対面営業を強化する方針を示した。独占禁止法に基づく公正取引委員会の統合審査が長引く中、改めて統合・合併の意義やメリットを聞いた。

 -改めてなぜ今、統合・合併する必要があるのか。

 人口減少や低金利から、2025年に全国の地銀の6割超で本業が赤字になると金融庁が試算した。そんなに先ではないという危機感がある。もしそうなれば、取引先のリスクを取りにくくなり、地域活性化を担えなくなる可能性がある。統合コストは十八銀行だけでもシステム関連や人件費で百数十億円が見込まれる。本業が厳しくなればその捻出も難しくなるだろう。

 -合併効果は何か。

 十八、親和で立地が重複する約50店を削減でき、コストを年間数十億円抑えられる。離島・郡部の店舗網も維持し、事業性融資を扱っていない店舗では新たに扱える所を増やしたい。400~500人の人員を捻出できるので、中小零細企業まできめ細かく訪問し、相談に応じる体制をつくれる。経済振興のため専門性の高い人員を育成する余力が生まれ、現地派遣もできるようになるだろう。

 -半面、融資姿勢の変化や、県内融資シェアが約7割まで高まることに伴う金利の高止まり、サービス低下を懸念する声がある。

 融資はもっと前向きにできるし、統合したからといって金利を上げるようなこともしない。人口減少や経済規模の縮小で運用先や預金は減っていく。他金融機関との競争も続く。企業努力を続けないといけない。

 -FFG傘下となることで?地元の銀行?がなくなる、と懸念する声もある。

 福岡さえよければいいということなら、長崎の経済は発展せず、新銀行やFFGの収益も上がらない。地元を軽んじることはない。統合時は株式交換するので、今の十八の株主はFFGの株主になり、もの申せる。取引先は、大経済圏の福岡とのつながりが強まる。FFGの東アジアの店舗網を活用でき、FFGが先行する(金融とITが融合した先進サービス)「フィンテック」にも力を入れられる。メリットは大きい。

 -とはいえ、公取委は寡占化を警戒している。審査では、シェア調整で貸出債権の一部譲渡が検討されているが、譲渡規模のイメージには開きがあり、クリアするめどは立っていない。

 債権譲渡の検討は「顧客不在」にならないようにお客さまの意向を聞きながら丁寧に進めている。公取委には代替措置を含めて考えられる限りのことを示しながら10月の統合に向け最大限努力する。

長崎新聞社

最終更新:6/20(火) 12:06
長崎新聞