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[社説]脱原発国への転換は国民の合意が重要だ

6/20(火) 11:45配信

ハンギョレ新聞

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が19日、国内最初の原子力発電所である古里1号機の永久停止記念行事で「原発中心の発展政策を廃棄して脱原発社会に進む」と宣言した。選挙時の公約履行を公的にしたものだが、大統領として歴史的意味のある宣言である。政権レベルで意思を持って「脱原発」を進めるのは史上初だ。望ましい姿の大転換だ。

 文大統領の指摘のように、これまでの韓国のエネルギー政策は低価格と効率性ばかり訴えていた。国民の生命や安全、健康に対する考えは放置してきた。歴代の政府は値段が安い電気料金や原発輸出に対する期待を前面に出して原発拡大政策を推進してきた。その結果大都市周辺に世界最高水準の原発密集地帯を作ってしまった。

 2011年の日本の福島原発事故で見ることができるように、原発は一度事故がおきるとその被害は国家の存続を危ぶむほど致命的になる。数万年の管理が必要な核廃棄物が発生するので、原発は決して環境に優しくない。当初の電力生産単価は安いとしても、安全管理を強化することに伴う費用や核廃棄物の処理および管理費、廃炉の費用を考慮すると決して経済的ではないとの分析も多い。世界各国で脱原発政策が広がる理由はここにある。

 文大統領は新規の原発建設計画を全面的に白紙化して、原発の計画寿命を延長しないと明らかにした。既存の原発は安全管理を強化して寿命になるまで使う、段階的な脱原発を進めるというものだ。石炭の火力発電所の新規建設を中断し、老朽化した石炭火力発電所の段階的な閉鎖と併行することにしたために、少なくない負担が伴いかねない。エネルギー政策の転換が電力需給、電気料金に及ぼす影響を透明化し、漠然とした不安が広がらないようにしなければならない。

 文大統領は現在の工程率が30%ほどである新古里の5・6号機は安全性やこれまでの投資や補償費などを総合的に考慮して、社会的合意を早期に導き出すと明らかにした。脱原発に対する政府の意思と推進能力が早くも試されているわけだ。

 脱原発政策は政権が変わっても継承されてこそ意味がある。そしてエネルギー政策転換の意義が国民意識の中に深く幅広い根をおろさなければならない。脱原発は、原発の否定的側面に対する認識の共有を乗り越え、脱原発に伴う費用を国民が分担するという合意がなされた時はじめて続けられるという事実を忘れてはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:6/20(火) 11:45
ハンギョレ新聞