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米デビューV6戦井上尚弥「8%の壁」超え怪物証明

6/20(火) 9:56配信

日刊スポーツ

 「8%の壁」打破で、世界的スターへの第1歩を。ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24=大橋)が、9月9日(日本時間10日)に米国で6度目の防衛戦を行うことが19日に発表された。都内で会見し、同バンタム級7位アントニオ・ニエベス(米国)を迎える米デビュー戦に、堂々のKO宣言。日本人の米国での世界戦は過去25試合でKO勝ちは2度のみ。達成率8%の難関を突破する。

【写真】鍛えられた上半身を見せる井上尚弥

 日本人には歓迎しかねるそのデータは、「怪物」井上にとっては大歓迎かもしれない。

 日本人の米国でのタイトル戦は68年に始まって約半世紀で25試合。KO勝ちは、80年にWBA世界ジュニアライト(現スーパーフェザー)級で6回KO勝ちした上原、14年にWBO世界バンタム級王座を7回KOで防衛した亀田和のみ。その事実を聞くと、口角を上げ、「倒しますよ」と爽やかに言った。困難だからこそ、強さの証明にはうってつけ。そんな表情にも見て取れた。「攻撃的なスタイル、倒すスタイルをしっかり見せたい」と一段と気合が乗った。

 「スターになるための第1歩」。そう米国の舞台を描く。初渡米は昨年9月。この日会見で隣席した前WBC世界スーパーフライ級王者ゴンサレスの4階級制覇の瞬間を会場で目の当たりにした。「熱気と歓声、すべてが規格外だった。どれだけお客さんを楽しませるか」と、本場ファンの求めるものを肌で感じた。

 ロサンゼルス、ラスベガスなど西海岸が濃厚な興行では、セミファイナルに抜てきされた。ゴンサレスの世界戦がメインだが、注目度は際立つ。世界的プロモーターで帝拳ジムの本田会長は、西岡、三浦ら米国で世界戦をした選手を挙げ、「従来はこっちからチャンスを狙ってきたが、井上君は最初から期待されている。全然違う」と強調。井上の場合、試合を売り込んだのではなく、その強さ、試合ぶりが世界的に評価されて世界戦が実現した。

 所属ジムの大橋会長は「これが伝説の始まり」と予言した。中重量級が主流の米国で、風穴をあけたのはゴンサレスの躍進だった。スーパーフライ級トップ選手が集う大イベントで、その偉人の前に組まれた米デビュー戦。軽量級といえど、「伝説」になれる。「盛り上げてくれた、その波に乗っかっていきたい」。日本の「怪物」が世界の「モンスター」となる日が近づいてきた。【阿部健吾】

最終更新:6/20(火) 10:29
日刊スポーツ