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最後のフロンティア、もくろみ外れる-ミャンマーで観光客が減少

6/20(火) 9:35配信

Bloomberg

ミャンマー最大の都市ヤンゴンにある仏塔の中でもひときわ大きく金色に輝く「シュエダゴンパゴダ」は、この国の文化を知りたい外国人旅行者が必ず訪れる場所だ。

そのパゴダを一望できる「エスペラード・レークビュー・ホテル」はこうした観光需要を当て込んで2年前に建てられた。だが何カ月も半分が空室という状況が続いているとネロ・チョー・ワイ支配人は打ち明ける。

ミャンマーは2011年に市場開放を始めた。長く軍政が続いていた英国の旧植民地がようやく民主化に向かい、世界のツーリストにとって最後のフロンティアとの1つとして、明るい将来が待ち受けているはずだった。隣国タイのように発展の方程式の大きな部分を占めるのが観光業だと当局はもくろんでいたが、今のところ当てが外れている。

建設ラッシュでミャンマー中のホテルでは空室があふれ、新築規制の不備で仏教遺跡の多いバガンや風光明媚なインレー湖では景観が損ねられる事態も発生している。観光業コンサルタントでミャンマー政府のアドバイザーを務めるポール・ロジャーズ氏は「経験のないミャンマーにとって、こうした複雑なセクターを発展させるのは極めて大きな挑戦だ」と話す。

15年の総選挙でアウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が勝利。同氏は昨年、新政権を発足させ、民族間対立の終結と経済の開放を誓った。海外から投資が流入しているミャンマーに欧米のファストフードチェーンも参入、コカ・コーラのボトル詰め工場もできた。国際通貨基金(IMF)によれば、16年の経済成長率はアジアでもトップクラスだ。

だがこの国が世界で最も貧しい国の一角であることには変わりはなく、軍の力も依然として強大だ。国連は今年2月、政府軍兵士と警官がイスラム系の少数民族ロヒンギャの数百人を虐殺した可能性が高いと報告。昨年の弾圧時に9万人近くが強制的に移住されられたようだとも指摘した。宗教融和を呼び掛けた政府アドバイザーの1人は1月、国際空港の近くで撃たれ死亡している。

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最終更新:6/20(火) 9:35
Bloomberg