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宇宙の「独立国家」アスガルディア、21万人が国民登録に応募

6/20(火) 12:50配信

CNN.co.jp

香港(CNN) 宇宙空間に人類初の独立国家「アスガルディア」を建設する構想を打ち出しているロシアの科学者が、このほど香港で記者会見し、プロジェクトの第1弾となる小型衛星「アスガルディア1」を今年12月に打ち上げて、地球の軌道に送り込む計画を発表した。

アスガルディアの国名は、ノルウェーの神話に登場する空中都市にちなむ。国民は、地球上のどの国からでも無料で受け入れる。

宇宙空間の独立国家建設構想は、ロシアの科学者イゴール・アシュルベイリ氏(53)が2016年に発表した。プロジェクトの目的について同氏は、「平和な社会」の実現や宇宙関連技術の利用、宇宙空間を漂う小惑星や人工物などの脅威から地球を守ることを挙げる。

国民登録を申し込んだ人は、アスガルディアの公式サイト開設から40分足らずで10万人を突破し、3週間で50万人に達した。

18歳以上で電子メールアドレスさえ持っていれば誰でも応募でき、性別や国籍、人種、宗教、資産などは問わない。元受刑者も、申し込みの時点で刑期が満了していれば応募できる。

ただ、アシュルベイリ氏が身元確認を強化して生年月日や住所などの登録を求めると、応募件数は減少し、現時点で217カ国の約21万1000人となった。年齢は18~35歳が大半を占め、性別は男性が83%、女性が16%、残りは「その他」となっている。

ただしアスガルディアの国民は、当面の間は宇宙ではなく地球上に居住することになる。

アスガルディアは複数の人工衛星で構成される予定で、その第1弾の衛星を、米航空宇宙防衛企業のオービタルATKが国際宇宙ステーション(ISS)に補給物資を送り込むためのロケットに搭載する。

この衛星は食パン1欣ほどの大きさで、重さはわずか2.8キロ。登録を済ませた国民のうち、先着10万人の個人情報約300キロバイト分が搭載されている。

今後は地上から約161~321キロの軌道上に、生存可能な環境を構築したい考え。8年以内にはアスガルディアに向けた初の有人飛行を実現できると見込んでいる。

「これは夢物語ではない。火星や銀河へ行くという話は単なるつくり話だ。私にはもっと現実的な意図がある」とアシュルベイリ氏は強調する。

プロジェクトの資金はアシュルベイリ氏が単独で負担するという。同氏は億万長者と報じられてはいるが、米誌フォーブスがまとめている長者番付に登場したことはない。

アシュルベイリ氏はアゼルバイジャン出身のロシア人。1990年代にモスクワに移住し、2010年にはロシア国家科学技術賞を授与されて、3年後にはオーストリアの首都ウイーンに航空宇宙国際研究センター(AIRC)を設立。現在はユネスコ宇宙科学委員会の会長を務める。

香港での記者会見では、アスガルディアのプロジェクトは子どもの頃からの夢だったと打ち明け、CNNの取材にも「独立国家の創設は私の夢だった」と語った。

アスガルディアは今後半年以内に民主政府を樹立して、裁判所や検察、政府機関などを設置する計画。政府機関はアスガルディア人がそれぞれの居住場所から運営し、行政の中心地はウイーンに置く。2018年には独立国家として国連への加盟申請を予定している。

最終更新:6/26(月) 11:20
CNN.co.jp