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全米オープン会場で天国へ ある94歳男性の物語

6/21(水) 13:08配信

ゴルフ情報ALBA.Net

ブルックス・ケプカ(米国)のメジャー初制覇と、2位タイに食い込んだ松山英樹を含む優勝争いの熱狂の中幕を閉じた海外男子メジャー「全米オープン」。その2日目に観戦中の1人の男性がコース上で息を引き取っていた。そのストーリーを現地紙ミルウォーキー・ジャーナルセンチネルが報じた。

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男性は94歳のマーシャル・ジェイコブスさん。13時20分ころ6番ホールのグリーンサイドスタンドで、脈拍がなく心肺停止の状態で死亡を確認された。発生直後USGAも事件性は無いとリリースを出していた。退役軍人のジェイコブスさんは息子のビルさんと共に初めての全米オープン観戦に訪れていた。ゴルフの腕前もシングルクラスで丸山茂樹が優勝したことでも知られる「グレーターミルウォーキーオープン」にマーシャルとしてかかわるほどだったという。

6番グリーンサイドのスタンドに陣取った親子は選手のプレーを楽しみながら「3時間の至福の時を過ごした(ビルさん)」。そして、ジェイコブスさんは彼が最も好きなプレーヤーである地元ウィスコンシン州の英雄スティーブ・ストリッカーのカップインを見届けると、まもなく息を引き取った。ビルさんは父親の体を抱きしめて緊急医療スタッフを呼んだが、父親がこの世に帰ってくることはなかった。

実はジェイコブスさんは大会前の火曜日に50年間連れ添った妻のルシル・ジェイコブスさんを88歳で亡くしていた。今年初めに腰を痛めて体調も決して良くなかった上に、愛妻を失った悲しみの中で、あえてはじめての「全米オープン」観戦を強く望んだ裏にはどんな思いがあったのか。あるいは妻と何度も楽しんだゴルフ場の空気を最後に感じておきたいと考えていただろうか。

ビルさんが言う。「神様が父のところに来て、“さぁマーシャル。あなたの奥さんに会いに行きましょう。あなたはもうここで時間を使うことを望んでいないでしょう”と言ったんです」。

(撮影:岩本芳弘)<ゴルフ情報ALBA.Net>